カングー ブレーキの引きずり対策


点検作業でお預かりしているカングーの整備風景です。
点検を進める最中に、ブレーキの抵抗を感じたため急遽点検と対策を行う事に。

上記画像は、トルクレンチでブレーキ非操作時の回転抵抗を調べる所です。

ディスクロータが回転を始めるまでに、約2キロの力が必要な状況でした。
燃費の悪化に繋がるのと、ディスクロータが加熱する可能性、そしてブレーキパッドが偏摩耗を起こす原因になります。

キャリパピストンの柔軟性をチェックし、そこに問題が無ければ殆どの場合は下記画像の部分の問題です。

画像は、キャリパーフローティングピンです。
対向ピストンのブレーキで無い限りは、通常キャリパーにピストンは1つです。
ブレーキを踏むと、ピストンに油圧が掛かり、内側のパッドがロータ側へと押し当てられます。
外側のパッドは、フローティングピンがスライドする事によりキャリパが引き寄せられ、ロータを挟み込みます。

フローティングピンの動きも、ピストンの作動と同じ位に重要です。

結果的に、フローティングピンの内部に水分が侵入し、錆を誘発したことで動きの不具合が発生していることが分かりました。
以下画像は、キャリパ側のフローティングピンピンの入る部分です。
スチール部品同士の組み合わせですので、錆が発生すると双方の部品に動きの不具合を伴います。
それにより、スムーズな作動が出来なくなり、引きずりの症状へと繋がります。

キャリパーのブラケットに備わるフローティング機構と、フローティングピンを綺麗に清掃すれば対処完了です。

その後のトルクレンチの動きは、抵抗が無くスムーズに動く事を確認しました。

車が軽く動く感覚を味わって頂けると思います。

Written by Hashimoto

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