フィアット500 BILSTEIN B14から当社オリジナルサスペンションへの変更


最近は当社のオリジナルサスペンションへのリクエストがとても多くて、嬉しい限りです。
今回のご依頼は、これまで装着していたビルシュタインのB14 (B14=車高調整式のビルシュタインのキット名称です) を脱ぎ捨て、当社の製品に一新するという
男気溢れる内容です。

このお客様のチンクは拘りづくしの一台でして、サスペンションに対しての意欲には特に余念が無く、度々仕様変更やオーバーホールを行って来ました。

既にエナペタルの味付けが施されたフロントダンパーです。
そこに組み合わせているのは、キット内容のスプリングでは無くレート変更をしたリセッティング品。
そしてスフェリカルアッパーマウント C-2 です。
スフェリカルアッパーには2種類の設定が有り、N1はノーマルマウントと同じ高さ・同じセット位置に装着が可能。
対するC2は、キャンバーとキャスタが約1°づつ増すというセット位置で取り付けられるように設計した製品です。

今回、オリジナルサスペンションへの変更を行うにあたり、アッパーマウントとスプリングは流用しながら施工を進めるつもりでした。

ところが、スプリングを外して気付いたのですが寸法が合わない。

当社のダンパーを狙い通りの車高でセットしようとした場合、適正なレートもしくは自由長のスプリングが必要になります。
現在装着中のスプリングは、その狙いよりも若干長かったのです。
B14では丁度良い位なのですけどね。
これは、ダンパーの全長や各部の寸法により、同じバネを同じように組み付けても結果が変わってくるという意味です。

というわけで、スプリングは新たに調達する事に。

せっかくもう一度スプリングを考えるのならば。。。
ここにも拘りを投入したい、という思いで「HAL」スプリングをチョイスしました。

ハルスプリングの中の 低反発ですので、希望のレートを保持しながらも、ガツンと来る様な路面状況に対しての当たりをマイルドにする効果があります。
その代わり、急な入力に対してのストローク量が増える為、ダンパーストロークにも余裕が必要になってきます。

つまり、これまではダンパーの底付きをしなかったのに、低反発にすることでその可能性も出てくるという意味です。
B14では縮み寸法に余裕が無い為、不向きですが、当社のオリジナルサスペンションは、伸び側・縮み側 どちらにも十分なストロークを確保している為
装着が可能という事になります。

上記の点が、最大の魅力とも言える為、その結果がデモカーに試乗された方々に「こういうアシが良い!」といっていただけるポイントだと自画自賛しています。

距離と使用期間を考えると、スフェリカルボールベアリングの交換は必須だと思っていたのですが、全く悪くなっていませんでした。
この製品の販売当初から使って頂いてるのですが、非常に高い耐久性を誇ることも実証できました。
企画段階で使用するベアリングを吟味した甲斐が実証でき、嬉しく思います。


フロント側は、スプリング待ちとなりましたので、ひとまず作業が中断となります。

その間にリヤ側の作業を進めていきます。
Written by Hashimoto

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