酷使されたブレーキパーツを検証しよう
夏期休暇明けの週でもあり、ラテンフェスタ直前でもあり、様々な種類の作業が入庫しています。
中でも黄色のプジョー106が多いのは不思議ですが。
106S16のブレーキパッドとディスクロータの交換...普通の作業ですが普通じゃない事もやってみました。
サーキットを走る車輌ですので、ロータの中心部と外周部の熱による錆びの発生が他車よりも多めです。
パッドの交換だけで今回はいけるかな~と思っていましたが、ディスクロータも追加で交換する事に。
ディスクの厚みを測定すると、19.46mmでした。
ディスクロータ外周には大抵の場合に記載されている最小威容限度の数字です。
19.5mmですね。新品は20.47mmです。
つまり、このディスクロータの場合は賞味期限1mmという事になります。
ローター研磨をすると厚みはもっと薄くなりますから、交換しましょう。
でも、交換したい要因がもう1つあります。
取り外したディスクロータに、ちょっとした試験を行いました。
拡大してみると...
無数のクラックが浮かび上がっています。
サーキット走行車輌であれば、こういった現象が発生するのは仕方有りません。
ブレーキパッドの交換に、ディスクの状態に気付いていなければ、次回のパッド交換までこのままである
可能性は充分にあります。
ハードブレーキングを多用する場合、交換基準が厚みだけでは無いという事ですね。
新品のパッドの厚みと、使用後のパッドの厚みも比較してみましょう。
新品:32mm 使用後:24mm
充分な交換時期ですね。
これ以上の使用は、キャリパーからピストンが突き出し過ぎて、キャリパにとっても良く有りません。
外したブレーキパッド摩材の表面は、熱害によりズタボロに。
この様になりにくいパッドもありますが、オーナー様の好みの問題もありますので、今回も同じパッドを装着です。
ブレーキパッドの磨材ひとつで、車の性格は大きく変化します。
モータスポーツシーンを問わず、お客様のニーズに合ったパッドのチョイス・ご提案もお任せ下さい。