リヤのトー値の話
アライメント作業の重要性
サスアームの組み換えは無事に完了し、続いてはリヤのトー値を調整する為のロッドに手を入れます。
この部分ですね。この後に控える4輪トータルアライメントでは必須調整箇所となる為、ターンバックルアジャスタがスムーズに動くように整えます。
アライメント作業の際にここが固着し、動かない。。なんてことは良くある話ですので先に手を打ちます。
正ネジ・逆ネジの組み合わせで、ターンバックル構造となる為どちらか片方が固着するだけで作業が難航してしまいます。
M12X1.0というあまり一般的ではないネジピッチが意味するのは、調整作業の際に微調整を可能にする為です。
実際にかなりの固着が発生していました。ねじ山を清掃し、スムーズな稼働を可能にする為にグリスを塗ります。
仕上げに表面の過去に塗られたシャシブラックを除去し、ステンレス含有の防錆塗料で仕上げます。
4輪アライメントの際、リヤのトー値の調整は非常に重要項目です。
リヤのトーの調整は、あまりご存知無い方が多い様ですが、フロント以上に重要な調整箇所と言えます。
FFだからリヤなんて関係無い、というのは大きな誤りでして、直進性にもハンドリングにも直結するのが後ろです。
昔で言うと4WS 今のメガーヌ4で言うと4コントロール がある様に、ステア機構の無い後輪を操舵する事で機敏な旋回性能から、安定のコーナリングまでを
実現すると言うことからも分かる様にリヤのトー次第で車の動きが変わるという事です。
GTVにはご覧の様にトーアジャスト機能が備わりますが、殆どのFF車にはその機能がありません。
そこをしっかりと調整するのが、当社の4輪トータルアライメントです。
特にリヤの左右が繋がった構造のトーションビーム式では、車高の変化によりリヤのトー値が大きく変化します。
車高が下がればトー値は増えますから、その状況で起きるのはアンダーステア傾向にいくという事です。
その理由から、せっかく足を換えて低重心を得たとしてもトー値が増えてしまってはコーナリング性能の悪化を招きます。
さらには、タイヤの偏摩耗にも直結しますから、良い事はなにもありません。
というわけで、GTVのアジャストロッドの話からリヤトーの話をさせて頂きました。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto