エンスト・トラブルの未然防止策や、足廻りの整備を行っています。
クラッチオーバーホール中のルノー・カングーはトランスミッションの非搭載の間に
クランク角センサーを交換します。
本来はセンサーから配線の出ないタイプを用いますのが、今回は配線付を使用しています。
クランクセンサーは、磁気信号を発生し、その周期でECUはエンジン回転を判断します。
磁気パルスの発生電圧は約5ボルト程度ですので、接続コネクタの接触不良が発生すると
正確な回転認識を出来なくなる為、不具合を引き起こします。
特にエンジン始動時で、各部の電圧が最も下がる際はその状況に陥りやすく、セルモータ
は回転するも、エンジンが始動しない。という症状に繋がります。
トランスミッションの上部にセンサーは取り付けられます。
クラッチハウジング内から覗くと、センサーの先端が少しだけ顔を覗かせます。
この真下を、フライホイールが回転し、フライホイール外周に刻まれたチョッパー
(凸凹形状)がセンサー先端をを通過する事でセンサーが発電する仕組みです。
電子制御のエンジンって、繊細な制御をしているのが良く分かりますよね。
こういった要素のバランスが1つでも崩れると、不具合・不調が発生するのです。
なので、トラブルケースは千差万別で、個性がある為しっかりとした診断が必要不可欠なのです。
お電話によるご質問では車は治らないのはその為です。
ステアリングラックブーツが破れていましたので、タイロッドエンドの交換と合せて施工しました。
タイロッドエンドは、この後に控える4輪アライメントの作業の際に、必ず調整が
必要となります。
なのですが、過去に回す頻度が少ないとネジ山の固着によりスムーズな作業を行えません。
今回も固着気味で、最初の回転が非常に硬かったです。
ネジ山を清掃し、カッパーペーストを塗布することでキレイに回転するようになります。
ストラット廻りの整備も同時に行いました。
ストラットブーツと、バンプストップラバーが一体構造なのですが、劣化により分離して
いました。アッパーマウントの劣化も気になりましたので、ダンパーはそのまま使用し
その他の消耗品を組替えます。
向かって右側は、組み替えを終えたストラットです。
左側はこれから組み替えを行います。
洗浄も合せて行うため、艶やかさに明らかな違いが出て来ます。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto