ルノーカングーの作業 タイミングベルトやダンパープーリの交換など
ルノーカングー K4Mエンジン搭載車のタイミングベルト交換を行っています。先日、異音の発生でレッカー入庫した車輛です。
ルノーのツインカムエンジンは排気量を問わず、共通したSSTが使用できるのが魅力です。それだけ長きに渡り使用したエンジンという事になりますが、名機と呼ぶにふさわしいエンジンだと私は思っています。ルノーのK4M F7R F4R はNAツインカムでして、どのエンジンも基本的にはスポーツライクであり、ぶん回し系の車に搭載されています。出力特性に変化をつけてカングーにも搭載されている、という事です。
今回のカングーは、前回のベルト交換時におそらくSSTを使用していなかったであろうと考えられます。カムプーリにはマーキングが付けられており、SSTをセットしようとするとうまく装着ができませんでした。
インテーク側にツールをセットすると、エキゾーストにセットできません。
エキゾースト側にセットすると
インテーク側にセットできません。
このように、インテーク・エキゾーストのカムシャフトの位置関係に誤りが生じてしまっては、せっかくのエンジン性能が発揮できなくなります。
各部を組み替えて、SSTが正しくセットできるかを確認します。
そして、異音の原因となっていたのがココです。オルタネータのプーリにダンパー機構が備わるのですが、経年劣化によりダンパー構造物のラバー層が粉砕してしまい、ガタガタになってしまいました。組み換えには専用のツールが必要となります。
同じ構造のプーリに交換するのではなく、全く異なる構造のプーリに組み替えます。ワンウェイ構造を持ったプーリです。オルタネータの駆動源であるクランクシャフトからの過大な入力の際はオルタネータを駆動させず、プーリが空転し力を逃がすというものです。
逆にダンパーの場合は、過大入力の入力の瞬間をダンパーの構造により緩和させる働きを持ちます。
各部を組付けて今週末の納車に間に合わせます。