クラッチトラブルの原因は、オイル漏れによるものでした
先日よりメンテナンスを行なっているアルファロメオGT V6の作業風景です。
クラッチがうまく切れない時が増えてきて、不安だ。というのがお客様のお声でした。
クラッチの作動方式にはワイヤー式と油圧式がありまして、当アルファロメオの場合は後者の油圧式となります。
クラッチの操作具合に不安定さが増した原因は、レリーズシリンダーという部品の不具合でした。
こちらが、クラッチレリーズシリンダー。ペダル側に装着されるマスターシリンダーを操作する事でプライマリ油圧が発生し、配管を抜けてきた圧力がレリーズに到達し、内部ピストンが動き、クラッチレリーズフォークへと力が入力される。という流れです。
クラッチが切れるという仕組みはいくつかの部品の連携プレーなのです。
なので、一口にクラッチがおかしいぞ、となってもどこに問題があるのか?を見極めていく必要があります。
シリンダーの先端のブーツを外すと。
ダバーっとフルードが溢れ出てきました。
出てはいけないところから出ているんです。作動ピストンに備わるシールが悪いのですが、原因としてはゴムの不良の他にもう一点。それは、スチールシリンダー故に内部に錆が発生します。錆びた内壁をラバーシールがストロークし通過する事でシールに傷を負わせます。その結果、オイルが漏れ始めるという事です。
新しいレリーズシリンダーに交換して組み換え、エア抜きを行います。
クラッチの接続位置などの確認も行い、完了となります。
クラッチフルードやブレーキフルードは吸湿性の高いフルードですので、定期的な交換を怠ると、スチール部品に悪影響を及ぼす事に繋がります。
年に一度は必ず、フルード交換を行い、嫌なトラブルは未然に防ぎましょう。