クラシックミニのメンテナンスを行っています
12ヶ月点検で入庫していた1000ccミニのアッパーアームをリビルトしました。
クラシックミニは既に生産終了となっているのはご存じの通り。
最も新しくても2000年、最も旧いモデルは1959年
41年もの間生産された、数ある車種の中でも長寿車両トップクラスです。
キャブレターモデルからインジェクションまでが存在し、エアコンの有無
簡素な内装から豪華な内装と、多種多様なモデルが存在しています。
なのですが、サスペンションの基本構造は1959年の生産開始当初から
ラストモデルに至るまで、ほぼ同じ構造なのです。
ですから現代の車とは異なり、定期的にグリスを注油すべき場所であったり
定期調整が必要な箇所があったりと、気遣うべきポイントが無数に存在しています。
今回作業を行った箇所は、フロントサスペンションのアッパーアーム、
その中に組まれているシャフトとベアリングの交換です。
軸方向のガタが確認出来たため、内部を分解してみると、思った以上に
劣化が進行していました。
小物トレーの中の細い物体、これはニードルベアリングが内部で崩壊
していた残物です。
シャフトの錆び・段付き消耗も確認出来ます。
アッパーアームからベアリングを抜き取ると、2個のベアリングのうち
ひとつはニードルが崩壊しています。
定期的にグリスを注すのですが、29年前の車両ですので、何が起きても
不思議ではありませんね。
新たに組み付ける新品部品の綺麗なこと。
気持ちよく、スムーズに動いてくれそうです。
ラバーコーン(ゴムの塊のサスペンション)の下側に備わるナックルジョイント
を支持するナイロン製のカップ、ここは加重集中箇所の為、外したら交換です。
そこに納まるナックルジョイント。
汚れと錆びを除去し、再生しました。
こういう作業、正直手間は掛かります。
今の当社の作業の流れで考えると、時間の流れ方が変わる作業ですので多くを
引き受けるのは体制として不可能なのですが、古くからのお客様の車両に
限って、現在は整備を行っています。