シムに困らない環境がご用意できました
タイトル見ても、は?ですよね。
ここで言うシムとは、ベアリングなどの調整用に用いる薄い金属製の板の事です。
最近ではシム調整が必要な作業は少なくなってきましたが、それでも必要に応じて
調整作業が必要になることもあります。
今回は、プジョー206WRのクラッチ・フライホイール交換の際にその作業が必要となりました。
必要なのはここですね。
トランスミッションのインプットシャフト(メインシャフト・プライマリシャフト)です。
この軸棒が、エンジン側のクラッチディスクへと繋がります。
つまり、エンジンの回転力を駆動力に変える部分です。
クラッチ作業の際は、この部分のシールも交換するのですが、交換中にシャフトを
前後方向へ動かすと、許容範囲を超えたガタツキがあります。
シム調整で、ベアリングの効き具合が調整されている箇所ですので、すぐさま国内の純正部品の
在庫を調べるも虚しく、国内在庫なし...。
シムが厚い場合は、手作業で薄くする事も可能ですが、ガタがある場合は厚いシムが必要です。
いつまでも困っていても仕方が無いので、シムを作るという手法に出ました。
で、出来上がってきたシムがコチラ。
素材・サイズ(内径・外形・厚み)指定でワンオフオーダーです。
今回必要になりそうなシムのサイズ・組み合わせで対応出来そうなサイズ、色々と製作しました。
製作期間も1日でしたので、本国オーダーの部品待ち期間1ヶ月以上と比べると大きな違いです。
これからはシムに恐れなくても、作業が進められる環境が整いました。
シムの調整で、メインシャフトのプリロード値は良い感じになりました。
トランスミッションエンドカバー内部のボルト・ナットなどの緩みについても疑いましたので
念の為確認済みです。
異常はありませんでした。
合わせて作業を行ったのが、206RC用クイックシフターです。
過去に数量限定で生産しましたが、在庫数は今回の作業を終えて残り1個となりました。
206RC用のクイックシフターは、スライド調整にてストロークの選択が可能な設計です。
装着後は見えませんが、シフトレバーの操作時にその存在はいつでも確認できます。
幅広い作業に対応すべく、日々の作業に取り組んでいます。