ポイント点火の車もしっかりテスタチェックが必要です。

アナログな車にはアナログなテスターで。
昔からあるBOSCHのエンジンアナライザは、ポイント点火のエンジンを点検・調整する
際に今なお重宝しています。
工場の片隅で埃を被り、電源を入れていない同型のテスタを見かけると寂しくなりますが、
当社では現役で活躍しています。

今回の点検ではトラブルの早期発見が出来たのと、オシロスコープの正常・異常の違いも
しっかりと確認できたのでご紹介です。

これがオシロスコープで見られる、点火2次波形です。
RIMG3578 RIMG3577
鮮明な波形が写真では1本・2本に見えますが、実際は4気筒の場合は
4本のこの様な波形が画面上に同時に表示されています。

こちらが正常な波形
RIMG3578
あれ?っと思ったのがコチラの波形
RIMG3577
画面一番左にあるはずの平行線が無いですね。
平行線が何を意味するか?
それはスパークプラグに火を飛ばしている状況です。
横方向に長い線が確認できれば正常・逆に無い場合は火が正常に飛んでいないという事になります。

明らかに火の飛びが悪そうで有るのは間違い有りません。
その場合、明らかなエンジン不調も発生するのですが、今回のケースではそれを体感出来ませんでした。

2次側での点火不具合の発生原因として、考えられるのは
スパークプラグ不良
プラグサフレサー不良
プラグコード不良
ディストリビュータキャップ不良
イグニッションコイル不良
などなどありますが、今回の場合は4気筒中の1本ですので、ある程度絞り込めます。

怪しい箇所を点検していると、原因が分かりました。
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ディストリビュータキャップ側のサフレサ内部に、青錆の発生です。

さらに、プラグコードとの接続箇所にも同様に青錆を確認しました。
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通電性が悪くなっていたのですね。
スパークプラグの失火の場合は、明らかなミスファイアを発しますので不調を感じるのですが、
ここでのトラブル初期段階では、体感できないという事です。

当社では、昔からプラグコードは抵抗値を揃えて自社製作しています。
ですので、1本だけ同じもので作り治します。
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プラグコード両端のサフレサに統一した抵抗を入れることで、コード長に関係なく
全体の抵抗値を揃える事が可能です。
抵抗値の不揃いは、スパーク時の要求電圧の不揃いに直結する為です。

ディストリビュータ内部の整備も非常に大切です。
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俗に言うポイントギャップの調整は、ギャップ調整ではなく、ドエルアングルで調整します。
ドエルアングルとは、ポイントの閉じている時間(角度)ですので、そこを最適な調整値に
する事で、本来のエンジン性能を引き出します。
大体こんなもん...では無く、この数値!に設定する事で、イコールコンディションに統一できます。

最近では少なくなったポイント点火回路ですが、基本的な調整をしっかりと行う事で
安心して乗れます。

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