デュアロジック トラブルの原因はココにありました。
デュアロジックのトラブルの原因は様々です。
今回も色々とトラブルシュートを行い、原因が判明しました。
そもそも、クラッチが存在するのに、機械任せという点に最大の問題があるわけですが、
今回のトラブルはマニュアル車であれば、すぐに原因に気付けた内容です。
クラッチが減る→クラッチペダルが重くなる→限度を越すと、機械的損傷が発生する。
→ドライバーが違和感を感じる(走行不能になる事もあり)
この一連の流れを体で感じることが出来れば、悩まずに済むのです。
デュアロジックやセレスピードの場合、この一連の流れに対してテスター診断が必要になってきます。
しかしですね、テスターがあれば車が治るわけではないのです。
賢そうに見えるテスターも、その使い方を熟知していなければ、診断する側を迷わせる事に繋がるのです。
特に、トランスミッション診断においては、エラーが入るものの、エラーの根源となる部分には
エラーは介入しません。
ここが難しいのです。
1+1=2ではないのが、車の修理です。
テスタ数値を見ながら、辿り着いたのがクラッチメカニズムの消耗もしくは、トラブルでした。
こうなると、トランスミッションを降ろさなくては、次に進みませんので、降ろす事にしました。
ようやくクラッチが顔を覗かせます。
クラッチカバーの異常な磨耗
これは、レリーズベアリングと擦れ合う箇所です。
でもこれはトラブル原因とは違います。
続いてクラッチディスク
ツルンツルンに減っています。
クラッチカバー側は、繋ぎ合わせているリベットも露出しています。
マニュアル車の場合、クラッチの減り=ペダルの重さに繋がります。
デュアロジックの場合、重さにには気付けません。
しかしながら、クラッチ操作を行う、アクチュエータは相当重いはず。
いままでお疲れ様でした。
でも、これでも動かせなくなる程の事ではありません。
では、何なのか?
原因はここにありました。
クラッチフォークレバーです。
このレバーを操作するのが、アクチュエータです。
レバーの先には、レリーズベアリングが繋がり、クラッチカバーのダイヤフラムを押し込みます。
クラッチが減り、操作に力が必要な場合、この部分にも負担が掛かります。
角度を変えて見てみると。
うげっ!ですよね。
曲がっています。
つまり、アクチュエータは頑張って操作をするも、肝心のクラッチ機構が正常に動いていないのです。
クラッチが切れなければ、シフト操作は出来ませんよね。
これが原因でした。
ちなみに、ここまでの疲労を各部に与えていたクラッチディスクの厚みはと言うと。。。
光っている方が新品です。
目視で分かるこの違い、なかなかですね。
新品:8mm
外したディスク:5.5mm
その差はわずか2.5mmですが、クラッチにとってのこの差は非常に大きいのです。
各部の組み付けを終え、正常作動も確認できました。
デュアロジック搭載車にお乗りの方へクラッチ交換の適正時期は、乗り方にもよりますが
8万キロを超えた辺りからがお薦めです。
ゴーストップの多い乗り方が多い場合は、もっと早めに作業が必要となります。
逆に、高速移動が多い場合については10万キロあたりからでしょうか。
クラッチ操作が困難でも、気付いてあげれないのが辛いです。
アクチュエータにも負担を掛けますので、これまで何のトラブルも発していない方は
距離に応じてお早めのクラッチ交換を行いましょう。
デュアロジックの場合、アクチュエータのメンテナンスや、クラッチの整備はエコに徹しては
いけない場所だと考えます。
しっかりと労わり、整備を行い、長期間良い状態で乗れる車に仕上ましょう。
今回の様なエラーこそ、テスタがズバリを教えてくれると嬉しい限りです。
「クラッチフォークが折れています」みたいにね。
お疲れ様でした。