点火システムの末端・スパークプラグの基本を考えよう!
テスト段階真っ只中である、MSAシステム。
どんな点火波形が出力されるのか?気になったのでオシロスコープを接続してみました。
接続風景はこの様な感じ。
BOSCH FSAテスタの 点火2次・オシロスコープの機能を使い、その実態に触れてみましょう。
表示された2種の点火波形を重ね合わせてみる。
確かに見た事の無い波形が表示されるのを確認できました。
このデータは単純にアイドリング時の点火状況を表示したものなので、せっかくの機会ですから
スパークプラグの状態を点検してみましょう。
これまで使用してきたスパークプラグと、新品の純正プラグを並べてみる。
取り外した際に思ったのが、ギャップが狭い事。
あれ?こんな見た目だったかな?と疑いました。
実際にギャップがどの位なのかを 測定してみると__。
新品:0.75mm
外したプラグ:0.55mm
錯覚ではなかった様です。
0.2mmの差がありました。
ちなみにもう1本の外した方は、0.6mmでした。
このばらつきは何とかしたいところです。
と、その前に確認しておきたい事があります。
スパークプラグの単体試験を行ないましょう。
スパークプラグ試験機です。
エアーコンプレッサにより圧縮された試験室を備えています。
エンジン内部と同条件とはいえませんが、加圧された燃焼室を再現するものです。
圧縮状態の中で、プラグが失火せずに火を飛ばすかどうか、という基本的な性能を知る為の機械です。
左):新品プラグの火花(0.75mm)
右):外したプラグの火花(0.55mm)
どうでしょう、この歴然とした火花の違いは。
確認して、正解だったと確証しました。
ここから、プラグ交換を行なわず、どういった変化が確認できるか?を実証していこうと思います。
これは取り外したプラグ 0.65mmの点火。
汚れ具合にもよりますが、0.55mmの物よりもしっかりと火花を確認できます。
新品には勝りませんが。
これまで使用していたスパークプラグを清掃し、ギャップを0.65mmに調整し、その後スパークテストの施工
クリーニングとギャップの調整により、随分と違いを確認できるようになりました。
青白い火花が鮮明に確認できます。
欲が出てくるのが人間です。
もっと良くならないかと、次は0.80mmまでギャップを広げてみましょう。
僅かな差ですが、青白い火花の発光量が強くなっています。
1.1mm位まで拡大すると、失火が始まり、高圧時には火花が飛ばなくなりました。
ちなみに、この0.8mmの火花は、新品プラグよりも強い火花になるのです。
並べて見ると、分かりやすいですね。
一通りの点検・調整を終えた後のオシロスコープにも変化が確認できました。
マルチスパークのそれぞれの末端のキレが違います。
だらっと点火を終えるのではなく、スパッと終えているのでしょうね。
非常に短い時間で行なわれている点火ですので、この違いを体感できるかは、分かりませんが
行なった事が結果として確認できるのは嬉しい限りです。
プラグギャップの0.80mmが正解なのかどうかはわかりませんが、間違った事を行なっていても
当社のデモカーですので、しばらくはこの状態で様子をみようと思います。
マルチスパーク+V-UP16の併用に加え、プラグギャップを広げましたので
プラグの消耗速度は速まると思って間違いないでしょう。
スパークプラグは元々、消耗品ですので交換時期が少し早まるのは気にしません。
交換と言っても2気筒エンジンですので、部品代もお安いですからね。
どんな感じ?と気になる方は、是非試乗にご来店下さい!