141パンダ シリンダヘッドリフレッシュ完了

以前より進めておりました、141パンダのエンジン腰上のリファインも完了です。

ヘッド本体は、面修正の為の平面研磨・バルブシートカット・フェース研磨・摺り合わせ
バルブクリアランスのシム調整、と一通りの基本的な作業を行いました。
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研磨を終えたヘッド平面は、良くも悪くも平らです。
ですので、水の通り道やオイル通路、ボルトの貫通穴などの角を取るべく手作業で
最終的な仕上も行います。
こうする事で、新しいガスケットとの馴染み・疲労強度が増す効果が望めます。

シム調整は手間ですが、重要作業です。
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4mm前後のシムが複数使用されていますので、新車時からのシムであるといえます。
0.05mm単位での調整を行いますが、それだけ細かなシム設定がされているという事が
いかにバルブクリアランスが、エンジンにとって重要な要素なのか分かりますね。

バルブクアランスが規定値から大きく異なってくると、エンジンが騒がしくなったり、
出力不足に繋がったりと、非常にデリケートな事なのです。

各部の組み付けを終え、試運転を行います。
非常に気持ちよく、快適に走るエンジンに蘇りました。
入庫当初から不具合を抱えていたわけでは無く、むしろコンディションの良いパンダだと
思っていましたが、きっちりと組んだヘッドの搭載されたエンジンは驚くほど快適に回ってくれます。
アクセルペダルに右足を添える程度の踏み方で、す~っと滑る様に走るフィーリングは
パンダの持つ魅力をランクアップしたかの様に感じさせてくれます。

静かかつ、滑らかに回るので今度はトランスミッションのノイズが耳につく様になってきました。
今後の課題ですね。

さらに良くしたい、そんな思いから点火系統にも手を入れます。
V-UP16の取り付けです。
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取り付けるエンジンにより色んな表情を見せてくれるこの製品は、小排気量の車輌には
間違いなくお薦めできる品物です。
具体的数値として何が変わるのかといいますと、イグニッションコイルへの供給電圧の安定化です。
通常は車輌により異なりますが、オルタネータの発生電圧にほぼ等しい電圧が供給されています。
14ボルト位が平均的ですね。最近の車で充電コントロールをする車輌の場合は変動が激しいです。
時には12ボルト程度まで下がる事もある為、そういった車には更に効果的です。

この箱に、車輌側から供給されるコイルへの供給電圧を入力すると、昇圧した電圧を出力します。
昇圧電圧は16ボルトです。
12ボルトが供給されても、14ボルトが入力されても、16ボルトを出力します。
クランキング時に、電圧が大きく低下する際(8~9ボルト)も安定した電圧を供給します。

その結果、コイルよりプラグを通じて放たれる火花が強力になります。
コイルの制御電圧の小さな変化は、末端のプラグに大きな変化をもたらします。
電圧が引くければ火花は小さくなり、高ければ火花は大きくなります。

大きな火花で着火させる事で、不完全燃焼を防止し、パワーロスを抑えます。
結果、エンジントルク・出力の向上に繋がるということです。

オシロスコープでこの様な変化を確認できます。
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14.2と表示された赤色数値は、バッテリ電圧
13.7と表示された青色数値は、コイル電圧
これは装着前のデータです。

こちらが装着後です。
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13.9と表示された赤色数値は、バッテリ電圧
16.3と表示された青色数値は、昇圧されたコイル電圧

トルクが増え、乗り易い厚みのあるフィーリングになります。
デメリットとしては、コイルへの多少のダメージを与える事と、
プラグの消耗時期が少し早くなる事です。
いずれも、大きな被害では無い事と、何よりもフィーリングアップの効果の恩恵が大きい為
デメリットは然程重要視しなくても良いと私は思っています。

V-UP16の効果を目と音で確認できる動画です。

気になる方はお問い合わせ下さい。
当社での取り付けにあたり、車輌の基本チェックを行います。
電気系統の基本的な不具合や、要改善箇所がある場合は即時取り付けに
お応えできない場合もございます。

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