拘り詰め込んだ純正形状ダンパー
ハイスペックスタンダードダンパー


プジョー208GTIからアバルト595へと乗り換えをされたお客様のお車です。

生産国が変われば、車の性格も大きく変わる。
プジョーからアバルトに乗り換えられると、強く感じるのが「足廻りの出来の違い」です。
昔からネコ足と呼ばれ、しなやかでありながら、俊敏がウリのプジョーの足廻り。

対するアバルトは、ショートホイールベースで大径ホイール、悪く言えばバタつく足廻りです。
(そこが面白く、ハマるという意見もあり、私はそちら派です。その持ち味の改善策にハマっています。)

これらを改善する打開策は、先ずは根本を正す事だと考えています。

今回ご案内をさせて頂いたのは、こちらのセット。
ハイスペックスタンダードダンパーにローダウンスプリングを組み合わせた弊社の定番商品。
車高が下がりすぎる事無く仕上がり、乗り心地がすこぶる良くなるオススメ商品です。
(リヤは車高調整機構と、スプリングの作動をスムーズに行う様にする為のベアリングを付属)

細かな造り込みも忘れておらず、分かる人には嬉しい要素も盛り込んでいます。
ローダウンをする事で、スタビライザバーの作動角度が変化します。
アバルトの場合は、スタビバーが上方向に向いてしまいます。
対策としては、スタビとショックを繋ぐリンクロッドを短くすることで補正を行なうのですが、ハイスペックスタンダードダンパーの場合はそれが不要。
スタビライザリンクロッドを取り付ける位置を、予め下方向に移設しています。
これにより、部品交換をせずとも角度は適正化されるという事です。

ブラケット位置を変えると、ブラケットがホイールに干渉し易くなるので、形状を変える事でその対策も行なっています。

595コンペの純正ショック+スプリングの組み合わせで気になるのが、スプリング内周の下側が、ショックアブソーバのケースにとても近い事。
干渉することは無いと思うのですが、理想的では無いです。

同じ箇所のクリアランスを十分に確保出来るように、スプリングの設計を行なっています。

十分なストロークを持ち合わせたフロント側。
伸び側と縮み側、両方に余裕があるために悪路をハイスピードで走っても「ガツン」とは感じないセッティングです。

リヤ側は、バンプタッチによる不快感を感じさせない設計。
前後共に、しっかりとアシが動き、それでいて柔らかくは無い、良い仕事を実現する設計。

フロントは組付け直後の測定で 10mm のローダウン。
マウント及びスプリングの馴染みにより この寸法には若干の差が生じる場合があります。

リヤ側は、車高調整用のアジャスタが付属します。
それにより今回は 18mm のローダウンとしました。
この状態が、アジャスタの調整幅のほぼ中間域となります。
下げ方向・上げ方向に動かすことが可能。

ストック状態では、お尻がヒョコっと上がったスタイルであるのに対して、組替え後はやり過ぎてない・頑張りすぎない調度良さを実現。
ご来店を頂くお客様の多くは、低すぎるスタイルを好まない方が多く、自然な感じを求められるケースが多いです。
それらのお声を反映させた製品開発に取り組みました。

カタログなどのイメージフォトで再現される車高をイメージして頂ければと思います。

ハイスペックスタンダードダンパーと、オリジナルスプリングの織り成す上質なアバルトをお楽しみ下さい。
Written by Hashimoto

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