ジュリエッタQV 今夏2度目のトラブル症例


今年の夏の暑さに負けてか、ジュリエッタQVにおいて2度目のウォータポンプトラブルが発生しました。
9月の初旬頃に別のQVで同様の内容をお届けしています。
お客様は、その記事をご覧になられていたのか、異変を感じた際に直ぐに車両を停車し、レッカー搬送を待つ選択をされました。

ベルトカバーを開けて内部確認を行うと、冒頭画像にある様にタイミングベルトがプーリーからズレ出てきています。


本来はテンショナにより、ベルトはピンっと張った状態であるべきなのですが..

指先で抑えると、相当なタワミが発生していました。

原因は、前回同様にウォータポンプのベアリング軸に発生したガタつきです。

力をかけると、ガタガタと首を振ります。
それにより、ベルトの張力に不均一さが生じて、たわみに繋がります。

ウォータポンプの交換・タイミングベルトの交換・テンショナベアリングの交換 一連の部品を組み替えて組み付けを進めます。

ジュリエッタQVには2種類のエンジンが存在し、今回の車輛には後期型のアルミ製シリンダブロクが搭載されています。
アルファロメオ4Cの為に開発された軽量エンジンだと認識しています。
アルミブロックのエンジンは、珍しく古くはジュリア系に搭載されていました。
その後は殆どのエンジンはスチール製ブロックに移行し、限られたプレミアムなクルマにだけ採用される贅沢品として捉えています。

アルミブロックの場合、タイミングベルトカバーがオルタネータのブラケットを兼ねている事から、ベルト交換の際にはオルタネータを取り外す必要があります。

ベルト周りの組み換え後に、エンジン本体へのダメージが及んでいないかをチェックします。
これは、ベルトの張力に変化が出た事によりカムシャフト位置にズレが生じる事からバルブに曲がりが生じていないかを確認する為です。
今回は幸いにもカムタイミングは殆どズレておらず、メカニカルダメージには繋がっていませんでした。


組み付けを完了し、テスターチェック・クーラント充填などを行い、試運転を行った後に作業は完了。
復活したジュリエッタ 1750QVは、エンジントルク・出力特性に厚みがあり図太さと俊敏さを持ち味とする魅力的な車であると再認識しました。
イタリア車のミドルクラスを味わうという点で、とても良い車です。
Written by Hashimoto

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