アバルト595 はBMC OTA のセットアップ


車検整備でのお預かりをさせて頂いているアバルト595は、整備の機会に合わせてアップグレードのご相談を頂きました。
これまでに、軽量フライホイール・レデューサ・V-UP16・オリジナルサスペンションその他多数を施工済みのアバルトです。
今回は未だ未施工のチューニングポイントに焦点を定めます。

エアーインテーク系統のアップグレードを進めて行く流れとなりました。アバルトのエアクリーナは、エンジンカバーを兼ねた構造でしてエンジンの上部に覆い被さる様に備え付けられています。エンジンの熱気がこもる事から吸入空気温度が上がり易い傾向があることに加え、イグニッションコイルの温度上昇が懸念される為、機械部品に厳しい構成となっている事が、純正の難点です。

純正クリーナケースは、吸入経路が複雑かつ通路が狭いなどと言った、限られたスペースに必要機能を詰め込んだならではの弱点が多いです。

今回取り付けを行うのはコチラ

BMC OTAエアインテーク ブローオフリターンモデル

シンプル構造でありながら、スポーツエアクリーナに求められる条件を存分に詰め込んだ一品です。

専用のブラケットを使って、ボックスをセットします。
先にボックス位置を決定するのは、接続するダクトホースの長さを決め、カットする必要があるからですね。

エアインテークダクトにブローオフ・リターンパイプをセットします。

純正のリターンホースをそのまま使用しますので、ホースのセット位置を意識しながら角度を合わせます。

キットに同梱されているのは、長さ調整のされていないジャバラホース。
そのままでは長すぎて蜷局を巻きそうなので、適切な長さに合わせてカットします。

吸入経路の長さは、エンジンの性能に味付けをするとても重要な役割を担います。
クリーナボックスをどの位置に配置するかが、フィーリングに大きく影響します。
これは、キャブレタセッティング経験のある方はよく分かる話。
キャブに対して直接ファンネルを装着すると、経路が短すぎてトルク低下となり、その先に経路がありクリーナが備わる事で適正な経路確保となり出力とトルクが向上します。
レーシングエンジンの様な特性を持つ場合は、ファンネルのみでセッティングを出しますから、経路の話はこの限りではありません。
大切なのは、どの回転領域に焦点を当てるかです。
市販車の場合、大抵は長い経路を持つ吸気システムが備わりますからそれに合わせたECUマッピングがセットされています。
であるため、市販車のエンジンに対してダイレクトな吸気システムは不向きとなり、損失の方が大きくなるという事です。

例えば、上記のエアインテークダクトのみで走行した場合は、驚くほどにトルク低下を感じるはずです。
流体力学ではありませんが、直感的に感じられる事は大切です。



ホースの長さ・巻きの角度を調整し、上に迫り出さない様に仕上げて各部を締め付け確認すれば完成となります。

「走りが変わる・気持ちが上がる」
そんな仕上がりの実現を念頭に、車遊びのご提案をさせて頂いています。
Written by Hashimoto

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