カングー2 動力伝達系統を中心にリフレッシュ開始
初回整備でのお預かりをさせて頂いているのは、カングー2の 1.6 MT です。
今回は走行距離を考慮し、各部のメンテナンスを進めます。
先ずは、クラッチ交換の為の各部分解をスタートしました。
今回の施行内容は以下を予定しています。
■基本整備のステージ1メンテナンス
■クラッチ一式の交換
■サスペンション関連 劣化箇所のリファイン
■上記に通じますが、サスペンションより発する異音の改善
■ドライブシャフトのリファイン
■突然死予防を見据えて燃料ポンプの交換
ミッションが降り、クラッチメカニズムの確認が出来る状態になりました。クラッチカバーの立ち上がり状態から、そこそこに減っている事が想定出来ます。
話がそれますが、分解の途中に気になったのがこの部分。
ディスクロータを固定するトルクス・スクリューの中に折れ残った工具の頭を発見しています。
過去にロータを外そうとして、工具が折れてしまい、ロータを外す事も折れた工具を抜くことも断念したのでしょう。
今回はロータ交換を含めていませんが、後ほど処理しましょう。
取り外したクラッチは、予想通り減っています。
激しい消耗、というレベルではありませんが、1.4mmの消耗ですね。
カングー2のマニュアルモデルは、重たい車体に対してエンジンの低回転トルクが薄めである為に、発進時のクラッチ使用率が上がる事が減り易さに繋がっていると考えられます。
クラッチ単体チェックと、カバー荷重測定ではスポーツモデルの車並の荷重値を確認しました。
車体が大きく、重量もあるので確実な圧着を行う為の計らいですね。
クランクシールを交換し、フライホイールとクラッチ機構の組付け完了。
分解時のカバーダイヤフラムの角度と比較すると、随分と異なる事が特徴的です。
軽いペダル操作で、クラッチ操作が行える様に変化していそうです。
ミッション側のレリーズシリンダと、デフサイドシールを交換しミッション搭載前の準備を整えます。
ここで気を付けなければいけないのが、このメンドラシールの取扱いです。
トランスミッション・フロントシールを意味するのですがこのシールは一見すると、外部からの交換が可能な様に見えますが迂闊に外すと大変な事になります。
正確には、ミッション内部のベアリングにシールが組付けられていますので、基本的にはこの状態では組み替えができません。
危ないのですよね、こういう構造は。ルーテシア3RSの同じ箇所のシールサイズが似ているので使えそうな気がしてしまうのです。
要注意ですね~!
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto