スフェリカルアッパー ルノー用について2種考案・取り付け(Spherical Upper Mount for RENAULT)
久々にスフェリカルを新規考案をしてみました。
と、言ってもルノー用スフェリカルは数ヶ月前に出来ていたのですが、あくまで車高調整用として
開発していただけで、ノーマル形状ストラットに対応していない為、装着実績など紹介をできて
いませんでした。
今回装着を行った車輌は
ルノー ルーテシア2 RSとトゥインゴ2 RS(RENAULT CLIO2 RS&TWINGO2 RS)です。
ルーテシアは、ワンオフ車高調に組み合わせ
トゥインゴは、ノーマルストラットにローダウンスプリングを装着した車輌に組み付けました。
まずはルーテシアに装着した際の画像です。
この場合、車高調整サスペンションのトップ部構造上の問題で、従来からあるスフェリカル用パーツを
駆使しても安易には装着できず、結果この為のワンオフパーツを作ったり、組み合わせたりと作業は
難航しました。
よって、分解画像や組み付け中の画像は残せていません。
フルタップのダンパーケースに、減衰調整機構を備えるこの製品は ZEAL FUNCTIONシリーズをベースとした
当社特注品です。
サーキット走行~町乗りを見据えて制作した商品ですが、ここでの欠点はやはりノーマルのフローティングマウントにあります。
今でこそ、各メーカがこぞって採用する固定方式のフローティングマウントですが、ルノーの場合この方式の採用は非常に
古く、さかのぼると横置きになってからの5(サンク)あたりからではないかと思います。
ハードな足回りに、位置の定まらない純正マウントはやはり相性が悪く、追従性の高いサスペンションを取り付けても
揺れの納まり、ハイスピードコーナリング時のアライメント変化や、追従性の悪化が気になります。
今回は、クラッチのオーバーホールにあわせて、考案・組み付けとなりました。
ストラットの振れ角は、しっかりと確保できるように設計しています。
従来より設定している方式に準じてスフェリカルボールベアリングによる、振れ角のスムーズさと
スラストベアリングによる旋回時のスムーズさをどちらも備える様にセットしました。
そして、続いてはトゥインゴです。
こちらは、ノーマルマウントの浮き具合も画像に納めています。
ご覧の通り、しっかりと浮いています。
この構造の魅力が伝わってきません。
ハンドリングを犠牲にし、追従性を悪化させ、サスペンションの動きに対して増幅した様にお釣りを与えてきます。
乗り心地をソフトにしたい方には良いのでしょうね。
ノーマルストラットに組み合わせる場合も、スラストベアリングを組み付けたいという思いから
フィアット500の際に発案&実現化した内容と同じ手法を採用します。
各部の寸法をしっかりと調整する事で、車高変化の出ない設計に成功しました。
アッパーマウントが固定されるメリットは、路面変化に伴なうタイヤ~サスペンションに伝わる不要な振動を
低減させ、ステアリングレスポンス・コーナリング時の安定感~ブレーキ性能に至るまで高次元でバランスを保つ事にあります。
やっぱりこうでなくっちゃ!と思える仕上がりです。
しかし、トゥインゴRSのキレのある動き、良いですね。
ターボエンジン主流の中、ルノーらしい味付けのNAエンジンは非常に良いと思います!