デュアロジック・セレスピードのトラブルは嫌ですね~
トラブルシュートで仮説を立て、その結果は?


走行中、突然ギヤがニュートラルになり、その後1速にもリバースにも入らないという困った症状で、フィアット500 1.2 がレッカー搬送で入庫しています。

デュアロジックやセレスピード・MTAに関するトラブルは、原因が何かにより、発生するトラブルの内容と、リスタートによるリカバリーが可能かどうかが変ります。
エンジンを再始動すれば、自走が可能になる場合と、そうで無い場合と2分化されます。

今回のトラブルケースは、リスタートも、テスタ診断によるエラー消去も、リカバリには通用しない状況でした。

トラブルの原因を調べるにあたり、今回はBOSCH KTSテスタを用いました。
KTSは、実測値の表示にタイムラグが少なく、確認したい数値のみを抜粋し、それらを数値表記とグラフ表記を分けて確認する事が可能です。
様々なテスタがありますが、今回の様なトラブルの探求にはKTSテスタがとても見やすいと思っています。

一連の点検結果を基に、気になる点をピックアップ。
正常車と故障車のデータ比較も合わせて行っています。
気になる事を書き記す事で、振り返って見た際にどの部分をみるべきなのかが明確です。

調べを進める中で、絞り込めたのがクラッチ操作を行う為の金属部品(レリーズフォーク)の損傷でした。

デュアロジック・アクチュエータを取り外し、レリーズのレバーも取り外し。
フォークシャフトの樹脂ベアリングを取り外した状態を作り、シャフト単体でのガタを確認しています。

上側の支持部を取り外すと、レバーの保持されている状態がどの様な状況なのかが判別出来るか?と思った為、単体点検中。

工場にベルハウスがあったので、それを用いて新品フォークとベアリングを仮組み。
故障車両の点検と同じ環境を作ります。

中はこの様な状況です。
下側のベアリングと、レリーズセンターのベアリングにより、シャフトの位置関係は確実に保持出来ています。

今回の故障車両は、指さした辺りに問題が生じているのでは?と想定しています。

ミッションを降ろし、フォーク単体の確認を行いました。


あれ?無傷!?シャフトの折損があると思っていたのですが、明らかな折損は発生していません。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

 

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