アバルト カブリオレボディはロワアームブッシュが柔らかい件


トランスミッションの搭載を終え、サブフレーム搭載前の作業として「SessA ロワアームブッシュ」への組み替えを行います。

アバルトシリーズやチンクの場合、ロワアームの取り外しにはフロントバンパーの取り外しが必要です。
アバルトの場合は、その先に左右のインタークーラを取り外す必要もあります。
今回の作業に際してはそれらの内容は全て施行済みとなり、ロワアームブッシュの組替えのベストタイミングとなります。

アバルトに用いられるロワアームブッシュは、チンクと比べると元々高剛性品が装着されています。
それはクローズドボディのアバルトの話で、カブリオレボディの場合は純正採用品はソフトタイプが用いられています。
光にかざすと、隙間がある事がよく分かります。

全ての兄弟車に使用する事が出来る SessA ロワアームブッシュ は、他車種に同じ目的で用いられるブッシュに小加工を施し、フィアットに流用出来るように設計した製品です。
使用用途・目的が同じである為に強度不足という事は無く、更には純正ブッシュの流用なので強化品特有の硬さや異音・振動が発生する心配がございません。

純正のブッシュをプレスで抜き取った後に、アルミハウジングを圧入します。
ロワーアームの圧入されていた穴には、面取りされている側とされていない側があります。
アルミハウジングは、圧入時の失敗が無い様に圧入開始側にのみ外径の細い箇所を設けています。
その部分を、ロワアームホールの面取りされている側に向けて圧入します。

その後、ブッシュを圧入するのですが、ブッシュの軸部の高さは異なる為、高さの低い方からアルミハウジングに圧入します。

サブフレームの取り外し時に、車輌側から取り外したボルトなどです。
一部に錆害を受けていたので、使用の可否を確認する意味も含めて全てを洗浄しました。
M14の太いボルト2本は、錆びて虫食いが発生していたので新調する事とします。

サブフレームとのドッキングを終え、エンジンの始動が出来る様ところまできました。
この時点で、MTもMTAもクラッチの作動確認を行います。
MTAの場合は、この際にクラッチに関するキャリブレーションを行います。

分解時に取り外しておいたフロントセクションアッセンブリ。
ホイストで工場2階に待避させていた物を降ろしてきます。
外す際は、メンバーサポートが付いた状態で外していますが、この後にその部分を取り外し、後に控えるアライメント作業の際にロワアームブシュの最終締め付けが出来る様に準備します。

今のうちに、クーリングファンの固定スクリュを増し締め。


ラバーブッシュを介していることもあり、僅かですが締め応えを感じる部分です。
クーリングファン自体が微量ながら振動を発している為、固定スクリュは緩みやすい環境にあると考えています。

フロントセクションを組付けて、切り離していたクーラントラインも復元し、クーラントのリチャージを済ませて暖機を済ませます。

全ての操作がスムーズに行えるかを確認し、試運転といきたいところですがそれはアライメントと、残りの組み付けを終えるまでお預けです。
工場内で前後に動かす感じでは、とてもスムーズにクラッチ操作が行えており一安心。
引き続き作業を行います。
Written by Hashimoto

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