695マセラティ はフライホイール交換などスタート


コンディション抜群の695エディツィオーネマセラティは、車検整備でお預かりをさせて頂いています。
走行距離は2万キロを越えたあたり。年間の走行距離は少なく、定期的に診させて頂いているのですが、なかなか距離は伸びません。

今回のメイン作業は軽量フライホールへの変更です。

クラッチが減ったからと言うより、それを待つと一体いつになるか分からないから..という事で先行しての施工となります。

トランスミッションは、マニュアルではなくMTAです。
着手前に、2種類のテスタを用いて必要情報の確認を行いました。

テスタの信頼性を確認する為の作業ですね。
これはとても大切な事でして、テスタでの実測値確認と、一連のキャリブレーションの施工が可能であるかどうか・部品交換のコマンドを送信できるかどうか。
など確認しておくことは多いです。

デュアロジックやMTAと、言い方は様々ですが統括するとセレスピードとなります。

ECUは、クラッチの接続ポイントや、トランスミッション変速に関する変速機構の移動量などを学習して認識しています。

3ペダルのマニュアル車を運転する際は、ドライバが半クラの操作を体で認識しスムーズに発信できるように心がけますが、ロボットの場合はそこに指令が必要と言う事ですね。
ギヤ変速についても同じく。シフトレバーを操作してギヤが入るまでドライバーはレバーを動かします。

ロボットはその移動量について指令が必要なのですね。
指令が行き届いていないと、半クラが上手く出来ずにドンっと繋いでしまったり、ギヤの入れ損ないが発生したりします。

クラッチが新しくなった際は、機械的な厚みが変わりますからそれを覚えさせる必要があります。

 

それらが上手くリンクして、初めてスムーズな操作が実現可能になります。
複数あるテスターの中で、どれが最適なのかを事前に確認します。
MTAのシステムは、BOSCHでの診断は現在のところ診断が出来ません。
TEXAもしくは、AUTELは相性が良いのですが、車両の年式により適合の可否が変わります。
今回は、どちらのテスタも上手く認識と設定が行えました。

事前準備を整えて、各部の分解を開始しています。

ミッションケース上に載った装置がMTAのアクチュエータです。
センサーやソレノイドが一体となったシステムです。

ミッション内部には、クラッチコントロールアクチュエータが存在します。
デュアロジックとの大きな違いは、役割を2分化している事です。
デュアロジックの場合、アクチュエータにクラッチコントロール機能を一体化させていますが、MTAはそこが別体式です。
システムの中でおそらく最も負荷のかかるのがクラッチコントローラですので、そこを分けている事がMTAの故障発生率がとても低い事の理由だと思います。

クラッチアクチュエータは¥59.000-の部品です。
距離が少なければ再使用をしたいところですが、降ろして発覚したのがボディに付いた傷の様な痕跡。

その相手はクラッチカバー・ダイヤフラムです。

うっすらとですが、干渉している事がある様です。
クラッチが減り、ダイヤフラムが減ったからなのか、デュアルマスフライホイールの側方向のガタによるものなのか、正確な判断が必要になりました。

引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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