工場通信

アバルト・サスペンションカスタマイズ

アバルト500は、サスペンション関連作業の施工にてお預かりをさせて頂いています。

今回のお客様は、足廻りを当社での施行させて頂くのが2回目となります。
1回目の際は、大きな変更は行わずにリセッティングをご提案させて頂きました。
既に組付け済の車高調整キットに足りない箇所を補うべく、スフェリカルアッパーの組み付けと、フロントスプリングの変更を行いました。

今回は小変更では無く、基本となるサスペンションを当社オリジナルの製品へと変更します。
今回の製作ロットより、リヤダンパーの仕様をSET4へと変更しています。

使用するスプリングはスタンダードの4キロから、低反発の5キロへと変更しての組み付けを行います。

それぞれの仕様には、狙いがありまして。
これらは数々のサスペンションを手掛けたノウハウを積み重ねて仕上げています。
「常に進化を止めない」そういった気持ちで取り組んでいます。

各部を組み換え、アライメント作業に移る際、リヤのハブベアリングに異常がある事に気付きました。
手で判別出来るほどにガタツキが生じていました。

ベアリング内部を確認すると、グリス気が無くなっており潤滑不足が生じた事から、金属摩耗が進んだと想定します。


新たなベアリングを組み付ける際、追加でグリスを注入してから組み付けを行いました。

仕上がりの印象は、レートアップしているに関わらず、低反発の特性が上手く作用しています。
通常はレートアップに伴い、硬さが際立つものですがブレーキング時の荷重移動が理解しやすいコントロール性能の高い味付けとなりました。

サスペンションの仕立ては、千差万別。組み付ける物の特性や減衰によりあらゆる味付け変化も可能です。

完成形はひとつでなく、お客様の意向に合わせて最善の構成を築く事が出来る事は弊社の武器だと確信しています。
Written by Hashimoto