KAAZ LSDのオーバーホールを施工
156 Ti JTS 40万キロを迎える為に今出来る事


補機類ブラケットの破損から始まり、リングギヤまで破損のダブルパンチを受けている36万キロの156JTS。
リングギヤが見つかるまでの間に、LSDのオーバーホールを施工する事に。こういう機械物をメンテナンスする事が好物作業ですので、開始したら手が止まりません。
エンジンもミッションも、分解行程はとても重要な作業。分解時の確認をおろそかにすると、組み付け時に「あれ?これってどんな向きだっけ?」っとなるものです。特にLSDは、組み付け方向を間違うと大変な事になります。
ですから、分解作業を進めながらマーキングを施していくと後の作業がとてもラクになります。
偉そうに言っていますが、全部過去に自分が経験した事を基にしています。
思い返すと、LSDの構造を習ったことも無く、オーバーホールを教わった事も無い自分。イニシャルトルクと言う言葉は聞いたことはあるものの、どういう事?そんな程度の知識でありました。気になる事は独学で知り、自分なりの解釈・測定方法を考え、LSDの用途別の組み付け方を考えたりとしたのは楽しい経験です。メカニックの作業は結果的に人。機械と触れ合いが好きかどうかが色んな意味で大切なんだよ。っと、若いメカニック志望の方々に伝えたいです。

LSDケースは消耗品ではありませんが、内部には使用上の傷が発生してくるもの。機械式LSDには複数のプレートが組み込まれており、外爪・内爪を重ねて組み込みます。外爪は、ケースの内側に引っかかる構造の為、ケースに引っかかりの傷が着いてしまいます。
次の組み付けをスムーズにする事と、プレートの負担を減らす意味でもバリ傷は丁寧に慣らすのは大切な作業。

前回のオーバーホールから15万キロ程経過したかな?10万キロかな?忘れましたが、オイル管理は良く、ハードな走りを最近は行っていないので、プレートの減りそのものは皆無。

前回のオーバーホールの際に、LSDの効きをマイルドにしよう。という事で、プレートの組み合わせを変更していました。
こういう配慮のおかげで、負担低減し長持ちするLSDに出来ていたのでしょう。

事前に用意しておいたKAAZ LSDのリペアパーツ。皿バネ・リングワッシャ・プレートがセットになっています。
皿バネは重要部品です。見た目には分からぬ消耗(バネ力の低下)を起こします。そうすると、LSDの妙な作動音が出るようになるもの。

中身の部品も、変速機構も、ミッションケース本体も、時間はかかりますが徹底洗浄を終えています。
こういう作業は、思いの外時間を要すもの。手を抜くと、完成時の仕上がりに差が付きます。
最初のミッションケース画像と見比べると、大きく見た目が変わっています。


アルミパーツは、酸化が進み過ぎると洗浄しても綺麗にならなくなります。
今回は、随分と黒ずんでいたのが気になったのですが洗浄後は素材の良さが引き立つ仕上がりになりました。
ケース内部は未だ空っぽ。リングギヤをうまく探し、スムーズな進行を心がけたいと思います。
Written by Hashimoto

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