アバルト595 は前後サスペンションのリファイン
タイミングベルトの交換を行ったアバルトは、足回りの整備に着手します。
内容は、前後のショックアブソーバの交換・フロントストラットマウントの交換・前後のバンプストップラバーの交換、そして4輪トータルアライメントで仕上げを行います。
アバルトやフィアット500は、足回り変更の為の部品選択肢が豊富でして、お客様の要望に合わせて最も適した内容をご案内しています。
今回は、ローダウンについて求められることは有りませんでしたので、スタンダードな選択としてビルシュタインの純正形状ダンパーをご案内させていただきました。
ここで大切なのは新たに使用するダンパーの長さを、どう考えて何を選ぶかです。
ビルシュタインにイエローのダンパにはB6とB8の2種設定です。
ノーマルチンクであればB6を、ローダウンスプリング併用であればB8を。セオリー通りならばそれで問題はありません。
では、アバルトのコンペ系のノーマルスプリングの場合、どちらが正しいのか。悩むところですね。
当社にはB6もB8も在庫がありますので、ノーマルダンパーの長さを測り、B6/B8どちらが近いのかを確認し、使用する部品を決定しました。
スプリングはこれまで使用されていた純正のアイバッハを再使用します。
こちらは、取り外したストラット・アッパーマウントです。
半浮動式マウントの劣化箇所は、中央部の角度を見れば一目瞭然です。
こちらが取り外したマウント。
外周の支持部に対して、中央の穴の開いた位置が近いです。
火山の火口部が浅い、そんなイメージです。
こちらは新品のマウントの同じ個所です。
グイっと下がっているのが良くわかります。
彫りの深い火山口の様な形状です。
使い込むことで、ショックのマウント位置が上がってくる。その結果、ボディ取り付け部上側の抑え込む役割のお皿に隙間が出来る。そのような劣化を現します。
リヤダンパーも交換するのですが、ダンパー全体の錆が気になりました。
取り付け部周辺のトーションビームも、融雪剤の影響か錆びている部分が多いです。
トーションビーム全体の防錆処理を行い、交換作業を進めています。
今回、バンプストップラバーは粉砕しておらず、再使用も可能ではありました。
1年後に崩れ落ちてはいけないので、ラバーの交換も行っています。
この後は交換直後のSDLテストによる、新品ダンパーの性能試験を行い、問題が無ければアライメント作業へと移ります。
Written by Hashimoto