★★★500S ビルシュタイン+アライメント作業
フィアット500 足回り関連作業with BILSTEIN B12
トータルメンテナンスにてお預かり中のフィアット500Sは、サスペンションの状態が非常に良くないという結果が出ておりまして。
ダンパー交換と合わせて、スプリングの変更もご依頼をいただいていました。
当社ではサスペンションの状態把握を、メカニックの感性とテスタによる正確な判断により最適な改善方法をご提案させていただいています。
使用するテスタは BOSCH SDL によるサスペンション診断です。
テストの結果から得られた情報は、路面粘着率としてグラフ化され、分かりやすい状態でお客様にご提示しています。
こちらは、1回目のテスト結果。
前後共に路面粘着率カーブグラフの落ち込みが大きく、NG判断と言える結果です。
車が跳ねる・乗り心地が悪い・ブレーキ性能が不安定・コーナリングスピードが低下する・高速走行が怖い etc..
良く無い事しか思い浮かばないです。。
テスト時のセッティングデータは、ノーマルショックアブソーバ+ローダウンスプリングの組み合わせでした。
おそらく、純正ショックアブソーバの許容ストロークを越えたところで常時作動しているのでしょう。
ダンパー本体の性能も非常に悪くなっていそうです。
今回のご提案は、ダンパーの交換とローダウンスプリングの変更です。
用いるアイテムは ビルシュタインのB12 です。
車高を下げるという手段は色々ありますが、下げしろに合わせた寸法調整をダンパー側に施す事は大切です。
B12キットには、ローダウンスプリング(アイバッハ製)とそれに見合ったダンパー(ショックアブソーバ)がセットになっています。
車高が低くなりすぎる事無く、程良いバランスに仕上がることが魅力の製品です。
前後のダンパー&スプリングの交換を行い、アライメント作業を施工しています。
ダンパー交換の際に忘れてはいけない ストラットアッパーマウントの交換も行いました。
組付け直後は、アライメントの値に大きな変化が出ます。
これは、ダンパーのブラケットのセッティングデータが、これまで装着していたダンパーとは異なる為です。
ナックルに対してダンパーを2本のボルトで固定するわけですが、その部分がビルシュタイン製の場合純正と異なるデータである為にキャンバー角度に違いがあります。
そうすると、フロントのトーの値も大きく変化するという流れですね。
リヤ側については、フィアット500やアバルト含めトーションビーム構造であるために、車高の変化によりアライメントデータが変化します。
車高が下がれば、ト-・イン の値は増える方向に変化します。
これらの状態を把握し、調整機構を持たないリヤ側の数値も上手く作り出す必要があります。
前後のサスペンションを変更し、仕上げにサスペンションテストを行います。
先程とは大きく異なるグラフを確認出来ました。
フロントのカーブラインに差が残るのは、ウェイトバランスの問題とダンパーの慣しがこれからである為です。
サスペンションテストによる、リヤ側の動きを動画に納めました。
純正ショックアブソーバ+ローダウンスプリング時
ビルシュタインB12組付け後
作業前と作業後では、上下に動くテストプレート上で入力を受け止める「タイヤ及びサスそして最終的にボディ」へと繋がる揺れの制御が大きく異なります。
サスペンションのトータルメンテナンスとして、アフターマーケットのパーツを組み合わせてご提案をさせて頂きました。
走行安定性と乗り心地、コーナリングからブレーキングに至るまでバランスのとれた仕上がりに満足です。
Written by Hashimoto