フィアットパンダ 100HP トラブル発生
エンジン不始動の故障


パンダ100HPは、エンジンが突然始動しなくなった。という内容にてレッカー入庫となりました。
セルモータは回るが、始動しないという症状を聞いた際に「燃料ポンプかな?」と思っていました。このところ、パンダ2ではよく起きている症例です。

パンダ2が燃料ポンプの突然死の時期と言う事は、初期型チンクもそろそろ波が来そうです。怖いです。。。皆様、予防交換しましょう!

で、調べてみると燃料ポンプでは無かったのですね。
イグニッションキーをONにすると、リヤシートの下辺りからは確実にポンプの作動音が確認できます。
数秒間の「ウィーーーン」という音ですね。皆様も、こういう音の情報を覚えておくと良いですよ。車から発する音は、車の大切な情報源です。

キースイッチをONにした際のメータ表示が冒頭画像の内容です。
え?燃料計の針位置が下限に。しかもランプ点灯?ガス欠?まさか。。
(エンジンルームで、燃料の供給を確認するとしっかりと圧力を保持していました。)

と言う事は、何らかの電源トラブルでエンジンに火が入っていないか、燃料を噴射していないか、またはその両者か?となってきます。
とりあえず、診断機チェック。エラーは沢山入っていました。ありとあらゆる系統に介入しています。

お客様からの情報として、エンジンが掛からなくなってから同時に、キーレスが作動しなくなった。とありました。最初は偶然じゃない?と思ったのですが。。疑う部分の絞り込みに役立ちました。

後付けのキーレスが介入しているのは、運転席足下のBSIユニットです。

ユニットのメイン電源となる配線は、赤色の太い部分。


原因として正しいかの断言は出来ませんが、この部位の接触改善により症状は回復し、エンジンは無事に始動しました。
接触不良を再現する様な動作を加えると、トラブル発生時と同じメーター表記となりエンジンは始動しなくなります。

本当はユニットの内部を確認したいところですが、ひとまずこの状態で様子見としましょう。

メインの電源回路ですので、もしかすると基板クラックが起きかけているのかもしれません。

車のトラブルと向き合うのは難しいと何時も思います。
原因が特定出来る内容で有れば良いのですが、半数くらいは直球では解決には至りません。
テスタは車を治すツールでは無いのですね。お客様の中には、テスタがあれば車が治るとお考えの方も多い様です。
四苦八苦しながら、取り組んでいます。
Written by Hashimoto

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