1万キロ台のルーテシア3RSも経過年数を考えてメンテナンス


今年の春頃にご新規様の点検から始めさせて頂いた、ルーテシア3RSをメンテナンスと車検整備としてお預かりさせて頂きました。
その点検からもう5ヶ月?いや6ヶ月?分からなくなってきました。とにかく時間の経過が早い早い。。そんな日々を過ごしています。点検させていただいたのは1~2ヶ月前程度だった気がしています。この調子ですので、今年も間もなく終わりを迎えそうです。

今回のルーテシア3RSは、とにかく走行距離が少ない!1万キロ台のフレッシュな個体です。中古車として購入されたお車ですが、奇跡の1台かもしれませんね。最近は低走行なルーテシア3RSを探すのは至難の業となってきた様です。欲しい方の元に渡りきった感があるのかな?
距離をある程度走った車も、整備で元に戻すことは可能ですが大切なのは過去のメンテナンス状況と、前オーナーの愛情です。10万キロオーバーであっても良い車はいくらでも存在します。

今回の車輌は本当にアタリの1台だと思います。
末永く良い状態で乗る事を目的として、お客様の意向も織り交ぜながらの不具合箇所改善整備を進めています。

ステージ1メンテナンスや冷却系統の整備は既に完了し、続いて行うのはサスペンション関連です。
定番化した内容ではありますが、必要だから行う。それに尽きます。
ストラットのアッパーマウントの新調ですね。距離が少なくとも、傷んでくるものです。相手はゴムですからね。じっとしていても自重が重力により掛かりますから、リセットしておきたい項目です。低走行距離の車の場合、じっとしている間に傷んでいる箇所について考える必要も出て来ます。
そういった要素を持つ部品の場合、オーナーが変わり、乗り方も変わり、変化が出始めた途端に今まで平然としていた部品の劣化が急加速する場合も有ります。

リジッドメンバーの組み付けは、お客様のご要望です。
プレス用の治具を製作して良かった~!と思える瞬間です。作業効率が断然上がりました。


リジッドメンバー(リジメン)の組み付けの際に重要なのは、金属のカラーをどこまで圧入するかです。寸法出しですね。ゴム製のマウントの場合は、ある程度の融通が利くというものです。金属カラーに組替えて、その後は溶接で固めますので寸法が非常に重要な事です。

走行距離が少ないだけあり、ブレーキディスクの状態がとても良かったです。
キャリパに組まれているオレンジ色のブレーキパッドは、当社のオリジナルパーツのSessA低ダストブレーキパッドです。通常は低ダストブレーキパッドの組み付けの際はディスクロータを新調した上で組付けるのですが、あまりにもグッドコンディションの為にその必要は不要と判断しました。
防錆効果の高いペイントを施す事で、新品ロータと見間違うレベルに仕上がっています。

10年分の汚れが溜っていたストラットハウジングは、綺麗に洗浄を行い、ワイパーのリンク部の増し締め・錆びやすい箇所には防錆処理を行って組み付けを行っています。


走行距離の割に、ココの状態は良くなかったです。シフトレバーの下側の樹脂部の緩みですね。対策を施し、組み付けを行います。
施工内容が定番化してきたという事は、その車に対してのウィークポイントを掴めたという事。1台でも多くのルーテシアを、良い状態へと導く事が出来れば幸せです。

引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

 

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