208GTI THP200 オイル漏れ修理
を行いながらエンジン内部も調整


エンジンオイル漏れの修理にて、お預かり中の 208GTI 200PS です。208に限らずこのエンジンは、オイル漏れがよく起きるのです。「オイル漏れしてるんです」と聞いた際に思い浮かぶのはヒートエクスチェンジャか、カムシャフトカバーが代表的。でも今回のオイル漏れはちょっといつもと違いそう。ダラダラと垂れてきていました。

タイミングチェーンテンショナ本体取付部より漏れていた模様です。こちらのテンショナーは、ハイパワーモデルと一般モデルで品番が異なります。外観上の見分け方としては、テンショナーボルトセンターの凹みが大きい事です。構造上何が異なるのかまでは把握出来ていません。

テンショナを交換するにあたり、若干のお楽しみ作業があります。エンジンのピストン位置を正しく検出し、クランクシャフトをSSTにより固定します。

インテーク・エキゾースト 両方のカムシャフトにカムポジション点検用のSSTをセットします。
すると。。
「ハイ~!かなりズレています!」この瞬間、嬉しいんですよね。
ズレていればモチロン調整を行うのですが、確実にエンジンは調子良くなります。ジワリジワリと時間を掛けてズレてきたカムシャフト。突然正しい位置に組み戻す事で、一気に新車時のフィーリングが戻ってきます。
修理しながら、エンジンまで調子が良くなる。なんて素敵な事でしょう。ズレの量により感じ方は様々ですが、今回のパターンはかなり性能回復に期待が持てます。

狭い場所でチェーンテンショナを締め付ける際に、役立つ工具と言えば「コレ」です。オフセットさせる事で工具の掛け方を変えることが出来ます。そしてしっかりと締め付けることが可能に。

ピタッと位置を合わせて、カムカバーガスケットを交換します。


エンジンを始動し、暫くの間アイドリングにてエンジンをゆっくりと回します。チェーンテンショナには瞬間的に油圧によりオイルが充填され、静かにエンジンが回るかを確認します。

現代の車には、エンジン調整として行える事が皆無と思われがちですが、バルブタイミングについては調整可能です。良い結果を残せる事が多いだけに、やり甲斐の有る作業です。

好物な作業の1つです。
Written by Hashimoto

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