106s16はエンジン裏側の作業を行います
中古車販売車両の作業-5


サスペンション廻りの作業を進めていた106は、この際に施工性の良い部分に手を掛けていきます。106s16の各作業は、手慣れてしまえばどんな作業も比較的スムーズに行う事が出来ますが、一斉分解を行った際は作業性が格段に上がります。
例えば、セルモータやウォーターインレット、ノックセンサーはその代表格の部品です。セルモータは、106乗りなら1度は必ず交換する部品です。ある日突然、作動しなくなりエンジンが始動しなくなりますので、未交換の方はお早目の予防交換をお勧めします。
エンジンの裏側に装着されているため、見晴らしが良いうちに交換出来ると気分的には最高です。

こちらはウォーターインレットの比較です。黒色は取り外した純正部品でして、銀色は当社のオリジナルパーツ「アルミ・ウォーターインレット」です。樹脂パーツはいずれ劣化し、破損を招きます。純正部品の樹脂製は生産終了となり、途方に暮れるのですが当社ではこういう超ピンポイントなパーツをオリジナルで制作しています。アルミ削り出しでアルマイト仕上げという贅沢な品質ですが、お値段はリーズナブルに設定しているつもりです。

こちらはエンジンのノックセンサーです。エンジンのシリンダブロックにボルト留めされていて、エンジンの振動を基に内部の構造物が発電をする仕組みです。エンジンが始動している間は継続的に振動を続けていますが、「ノッキング」を発する際は通常の振動周期よりも大きな振動を発する為に、センサーの発電電圧が大きくなります。その電圧信号をエンジンのECUに伝達し、点火タイミングを遅らせる処理をします。非常に重要なセンサーであるのは間違い無く、全てのEFI車には装着されています。
経年劣化により、樹脂部分がもろく変化するため、取り外しの際にはご覧の様に内部が剥き出しになります。先述のセルモータと、ウォーターインレットの間に装着されていますので、交換作業は同時を推奨しています。

セルモータ交換の際に忘れてはならないのが「ノックピン」の付け替えです。ノックピンは、セルモータを確実な位置に決める重要なピンです。3本のボルトで固定しますが、ボルトの公差により取付位置が曖昧になる事を防ぐ役割です。
稀にこのピンの付け替えを忘れて、始動させてしまう事がある様ですが、そうするとフライホイールのリングギヤの歯が欠けると言った事態が起きます。気を付けましょう。

着々と作業は進んでいます。この後は、シフト・コントロールリターンのリペアを行います。

Written by Hashimoto

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