アルファロメオ4C は点検作業でのお預かりです


当社では珍しい アルファ4Cの整備を行っています。今回は12ヶ月点検でのお預かりです。アルファロメオのスーパーカーとも言える4Cは、各部の造り込みもスーパーです。奇抜なエクステリアの中でも個人的に大好きなポイントは「リヤのエアスクープとその周囲の芸術的なデザイン」です。必要装備を美しく形にするのは流石イタリアンデザインです。Tipo33のデザインを上手くオマージュしています。

いつもの様にジャッキアップして、スチーム洗浄という流れは踏まず、作業を進めています。
ブレーキフルードを交換するのですが、フルードのリザーブタンクがなかなか絶妙な位置に有りまして。。圧送機を接続しますが、フロントウィンドとフロントフードのわずかな隙間に位置します。フロントフードが開いてくれれば良いのですが、なんと4Cのフロントフードは開きません。凄いでしょ。まぁそこもイタリアンと言う事で。

前回のフルード交換がいつ頃だったのかは分かりませんが、キャリパーのブリーダースクリュの内部に詰まりが発生している箇所が複数有りました。詰まると、圧送圧力ではフルードが排出されなくなります。なので、詰まりが発覚する度に圧送機の圧力を抜いて、ブリーダを外して清掃を行います。4箇所のブリーダを清掃しました。



ブリーダからスムーズに排出出来なくなると、ブリーダスクリュの根元から、ネジ山を辿ってフルードが出てきてしまいます。そうすると、キャリパーの塗装にダメージを与えますので要注意です。

エンジンオイルの排出も、ドレンコックの先にはフレームが通っていますので、通常通りにドレンを外して垂れ流すことも出来ず一つ一つの作業に一手間が必要になります。

4Cデビュー当時くらいに、リフトアップ専用の治具も制作しました。

リフトアップポイントが非常にシビアですので、確実な方法でリフトに乗せる事が出来る様に配慮しています。

リフトアップにより、4つのホイールを外している隙にサスペンション各部の増し締めも行いました。カーボンモノコックが4Cの凄さを物語ります。

大物作業はありませんが、ルーティン作業の難易度もスーパーです。リフトから降ろした後は、クーラントの交換とトランスミッション TCTシステムの作動油を交換します。
引き続き作業を進めます。

Written by Hashimoto

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