106ラリー16V フロントサスや駆動系のリファイン


新車からワンオーナで乗り続けられている ラリー16の車検整備を行っています。走行距離は20万キロを目前に迎え「この先も乗り続けるから!」との事でお疲れ気味なフロント廻りの整備を行います。永年連れ添った相棒、この先この手の車は無くなる一方..色々考えると、うかつには買い換えを考えられないですよね。特に今、106の市場価格が上昇傾向で距離が少ないだけで異常に高額な個体もある様です。低走行と車のコンディションは比例しないと思うのは私だけでしょうか。「大切なのはどれだけのメンテナンスを行って来たか」だと思います。

今回は、走行中の駆動系統から発する異音や振動の修理、サスペンション及びステアリング装置のガタの修理を行います。
106のサスペンションは構造がシンプルですので、要点を抑え的確な整備を行えばその他の車種よりもローコストに良い状態まで復元が可能です。

何はともあれ、まずは分解を行います。ショックアブソーバが、ストラットハウジング内にカートリッジ式で収納されている為、ごっそりと分解する必要が有ります。

施工するのは、ロワアーム・ボールジョイントの交換(ガタが酷い為)フロントハブベアリングの交換(劣化)ストラットマウント&ベアリングの交換(劣化)ドライブシャフト内部点検(異音と振動)トランスミッション・コントロールリターンのリビルト(純正供給終了の為オリジナルパーツによるリビルト)

ステアリングセンタージョイントの交換(ガタ)タイロッドエンドの交換(ここまでやるなら現状が良くても予防的に交換)

上記の内容で各部の組み替えを行います。
特にココ、ロワアームのボールジョイントは106のウィークポイントとも言える箇所でして、5~6万キロ位でガタが出始めます。リペアパーツが供給され、組み替えが可能と言うのは嬉しい状況です。大抵の車種は、この部分に損傷が出た場合はロワアーム本体の交換となりますので。

分解後のハブベアリングは、プレスでの抜き換え中に破損します。走行中にここまで破断しているわけではありません。とは言いましても、グリスがグリスでは無くなり、潤滑力を失っている状態です。

左のドライブシャフト・アウタージョイントから異音と振動を発していました。最悪の場合ドライブシャフトの交換を検討していましたが、ラリー16はABSが備わらない車ですので厳密に言えばS16とはシャフトが異なります。ABSの無い車にABS用のドライブシャフトを装着するのは御法度に思えたので、今回はリビルトを行う事にしました。
ユニバーサルジョイント内部は、グリスが劣化し、内部の水分や発熱により錆びも発生していました。消耗は間違い無くしているのだとは思いますが、入念な清掃と、良質なグリスで復活に期待します。

ステアリング・センタージョイントは、2個のボールジョイントが1箇所に集約されている部品です。ここにガタが出始めると、ハンドリングの悪化と直進性不良に直結します。


予防交換のタイロッドエンドも組み替えを行いました。4輪アライメント作業は必須となります。

沢山の部品を組替え、この後はテストドライブを行います。フロントスプリングは新車の頃に交換した物ですが、随分と劣化していたので交換します。

良い状態に復活してくれることに、期待が高まります。
引き続き作業を進めます。

Written by Hashimoto

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