デュアロジック整備時あるある
ボルト折れる件~抜き取り作業
点検整備でお預かり中のフィアット500 1.2 です。デュアロジックのアクチュエータからはよくあるオイル漏れが発生していました。油圧回路から滲み出たオイルは重力に逆らうことは出来ず、自然の流れに沿って最先端部のセンサー内へと流れてきます。センサー内から溢れたオイル最終的に電極カプラより流出し、外部へと漏れ出します。センサー数値に異常を誘発し、エラーが出てシフト操作が出来なくなってしまう。というのが最も多いトラブルでは無いでしょうか。センサーを交換したり、カプラ清掃を行えば一時的には回復するものの、暫くすると同じ症状が発生します。
初期の頃のアクチュエータと現行のアクチュエータでは色々な部品が変わり、それに伴いメーカーの品番も変わり、対策を繰り返しているアクチュエータですのでこの様な症状の場合当社ではアッセンブリ交換が堅実と、過去の経歴から判断します。
今回も交換を行うのですが、アクチュエータユニットを外す際に問題発生です。
本体を固定するボルトがシール材で固まってしまい、時折緩めづらいことがあります。なんとか外れることが殆どですが、今回は緩める最中に折れてしまいました。
途中で折れたボルトは強固に固着し、緩めづらいものです。試行錯誤で抜き取ることに成功し、安心しました。
このツールが、いざと言う時に本領を発揮してくれます。
この部分が問題のセンサー箇所ですね。センサーは現状正常ですが、今回の点検時に気付かなければエラーを発生していたと思います。
クラッチレリーズレバーのアームを交換します。プッシュロッドで押し込まれる箇所は、金属摩耗で凹みが変形しています。
各部の組み付け後はテスタによる各種設定を行い、試運転・作動確認を行います。
今週末にはお車をお返し出来そうです。
Written by Hashimoto