ブレーキ整備のお話
アバルト595はブレーキの低ダスト化


初回整備でお預かり中のアバルト595は、今回の整備メニューのひとつ。低ダストブレーキパッドの前後組付けを行っています。
SessAブレーキパッドの取り付け頻度は、当社では物凄く多く行う作業の1つです。あまり工場通信には登場しませんが、その数がどれだけ?っと聞かれると入庫車両の90%位に装着させて頂いているのですよ。よくお客様から言って頂けるのが、すごい数の入庫台数ですね!とのお言葉です。事実その通りでして、それらのお車の殆どにSessAブレーキパッドを装着させて頂いています。通販で販売する事も多々あり、日本中に当社のオリジナルパッドが広まっているのは、うれしい限りです。

ブレーキパッドの交換と言っても、古いパッドを取り外して新しいパッドを組付ける。という単純作業では無く、当たり前に行う作業にも当社の整備の基本を盛り込んでいます。
例えば、ホイール取り付け面の清掃と防錆。

パッドの交換前のハブフランジの状態です。ホイールが装着されていた痕跡がくっきりと錆という形で明らかになっているのが分かります。

こういった面の不均一さは、早めに除去し、ホイールが面当たりでしっかりと装着できる様に心掛けています。

車のブレーキシステムとは、エンジン~動力へと伝えられる運動エネルギーを熱エネルギーに変える事を意味します。ですのでブレーキは発熱をして当然と言えます。その熱を外部に放熱する事はとても重要な事でして、そのためフロントブレーキディスクにはベンチレーテッド構造が採用されていたり、スリットやドリルホールが刻まれています。皆さんはそれだけで放熱しているとお考えである事が多いのですが、ディスクロータの面当たりをする箇所も重要な放熱部です。ここは、ホイールへと熱を伝達する箇所ですので結果的に回転物であるホイールも熱を発散しています。

何が言いたいかと言いますと、熱伝達部に発した強固な錆層は、熱伝導の妨げにも成り得るという事です。車の性能をしっかりと発揮する為にも、ディスクロータの錆はなんとかしたいと思うのです。


取り外したホイールは、手洗いで出来る限りの洗浄を、表側も裏側も綺麗にして取り付けています。

フルード交換についても、電動式圧送器を用いて、現代の複雑なブレーキラインに負担をかけぬ様に丁寧に交換しています。

普段は見えない当社の作業風景でした。

Written by Hashimoto

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