アルファ 156JTS 直噴の天敵 カーボンクリーニング


車検整備でお預かり中の156JTS セレスピードです。定期的にしっかりとメンテナンスを行うお客様ですので、車検となってもそれ程不具合は無く、ルーティンメンテナンスで事を終えられそうな状態の良い156です。エンジンのフィーリング向上と、直噴故の汚れの蓄積を拭う為に今回はカーボンクリーニング作業を主としたメンテナンスプランをご提案させて頂きました。
156JTSは、アルファロメオ初めての直噴エンジンですね。高回転域を得意とするエンジンの持ち味は良いのですが、その分低回転域を多用する使い方を苦手としています。すなわち日本の道路事情にエンジンの性格があまりそぐわない点がリスクとして挙げられます。

なぜ、低回転域が弱いのか?
数値としてもはっきりと分かります。
この結果は、BOSCH FSAの機能のひとつ、排気ガスデータ・サンプリングからのものです。
右にいくに従い、エンジン回転を上げています。一番左の楯列はアイドリング時の数値なのですが、CO&HC の有害排出ガスはほぼ排出されていませんが、O2が多量に検出されています。これはアイドル時に希薄燃焼をしているからなのですね。回転を上げ、吸入空気量と流速が高まると途端に正常燃焼を始めます。スロットル全閉時に上手く混合気が燃焼室内で燃焼できないのが直噴エンジンですので、ECU上の制御で色々とつじつま合わせを行っているのが分かります。

今回は、通常のカーボンクリーニング作業に加え、吸気系統の洗浄強化の為に別系統からも専用の液剤を吸入負圧に乗せ、内部洗浄を試みます。


良い結果が出る事に期待が高まります。

引き続き作業を進めます。

Written by Hashimoto

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