車には欠かせない潤滑油の話
カーボンクリーニングの話と交えて


車検整備を進めている社用車のカングー1です。
まとまったメンテナンスを行えるのは、それほど多くは無い絶好の機会です。
せっかく整備を行うので、カーボンクリーニングも施工する事にしました。

カングーのフューエルラインは、ポンプからデリバリー(供給側)のみですので、カーボンクリーニング施工にあたっては燃料ポンプの作動を停止させて行います。
逆にリターン回路が存在するような車の場合は、デリバリー~リターンをループし、供給燃料はタンクに戻してしまいます。

カーボンクリーニングの魅力と言えば、ズバリ!エンジン内部(インテークバルブ・燃焼室・ピストンリング・ピストントップ・バルブ)に付着したスラッジを
軟化させ、綺麗にできる事です。
最大限の効果が、エンジンにとって最適かと言うとそこは少し別の話でして、急激に汚れを除去するのは正直リスクを伴います。
大切なのは、カーボン汚れを軟化させる事にあります。軟化した汚れは、その後の通常使用過程において燃料に含まれる洗浄成分の効果も借りながら燃焼行程で
すこしづつ燃やしていきます。

なので、カーボンクリーニングを施工した後は、理想を言うと高速道路を走行できるとより良い効果が得られます。


カーボンクリーニングの施工後にはエンジンオイルをフラッシングします。
軟化したカーボンを徐々に落としていくのですが、初期の汚れ除去効果は少なからず大目に汚れを落とす為、エンジンオイルが汚れます。
仕上げのエンジンオイルを入れる前に、フラッシング期間を設ける事で一層エンジン内部が綺麗に仕上がります。

その他の油脂類も一斉交換の時期ですのでATFも交換ます。

ATFはこまめなサイクルで交換していますので、とても綺麗なオイルが排出されています。

お客様からのご質問で、ATFの交換サイクルについて聞かれることがあります。
解答例として多いのは、「距離管理も大切ですが、それよりも経過時間管理を優先します。」と答えます。
多くのお客様は年間の走行距離が1万キロ前後である事が多い為、メーカーの指定が2万キロ毎の交換を推奨している場合、ATFを交換するのは2年に1度という事になります。
オイルは熱にさらされ、そして冷やされ、を繰り返す中で酸化が進行します。

酸化の進んだオイルは本来の潤滑性能・耐熱性能を低下させますから、出来れば1年に1度のサイクルで交換するのがベストと考えます。

エアーエレメントは、目立った汚れはありませんが交換します。
ペーパーフィルターは、ひどく汚れてから交換するのでは無く、こちらも経過時間管理が大切です。
大気中の水分も通過する部分ですので、時にはしっとりした状態になっていたり、乾いたりを繰り返します。
そうすると、素材が紙ゆえに密度変化による通気性の悪さは出てきます。

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