エンジンチェックランプの点灯を対策
アンチポリューションエラー

青い車が工場に多い、雨降りの先日です。
当社では、最新の新車から永く大切に距離をものともせず乗られてきた車まで、多くの車両を整備させて頂いています。

永く乗ると、色々なトラブルにも遭遇し、その度に頭を悩ませたり、考えたり、試行錯誤します。
今回の事例は、プジョー406クーペにおけるエンジンチェックランプの点灯でした。

この頃のプジョーやシトロエンは、排出ガス規制の新たに設定された基準を満たすべく排気ガス浄化装置(触媒)の機能を監視する為のO2センサー(ラムダセンサー)が2個もしくは4個装着される様になりました。
触媒の前に設けられたO2センサーは燃調補正用として、触媒以降のO2センサーは触媒浄化機能を監視する為に、それぞれ同じセンサーでも役割が異なります。

規制過渡期の触媒は、触媒機能としての働きは悪くないのですがその機能とECUのプログラム内容の思いが沿わずに警告灯を点灯させる事が多いです。
当社ではプジョーの106後期モデルにおいて、その症状をよく見掛けます。

テスタを接続し、O2センサーの動きを確認します。

青色は上流側のセンサーの動き。
赤色は下流側のセンサーの動き。
青色はいたって正常なのです。排ガス中の酸素濃度を検出し、微弱電圧を発電するのがO2センサーの働きです。その信号を基にECUは細かな燃調補正を行っています。
赤色は浄化後の排気ガスが完全浄化されているかをみているのですが、触媒機能が少し低下するだけでご覧の様に赤色のグラフにも反応を示す様になってしまいます。
下流側は、なるべく平らな線を描くのが理想という事です。

触媒を交換するのはとても高額、そして無意味な気がします。触媒が悪くなっているわけではありませんので。

前回にも同様の事例があったため、少し工夫をしていました。

対策でしばらくの間、大人しくしてくれていたのですが、時間の問題で再発しました。
次なる策は考えていたので、今回はその方法を試みることに。

これがO2センサーです。排出ガスに常にさらされています。

消耗品ではありますが、実測値は非常に良好ですので今回交換する必要はありません。
追加工で、細工を試みました。

車の修理は、時としてECU制御といかに仲良くできるか?を考える必要もあります。
その為には、様々な手法を考え、テストを行う必要も出て来ます。
トラブルをカンペキに完治する事は、思いのほか難しく長期戦に及ぶこともあります。

出来る事を少しづつ試してみる。これが重要と日々感じます。

Written by Hashimoto

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