ルノースポールのエンジン造りへの拘り
クリオ3RS(ルーテシア3RS)のエンジン本体です。興味があったので分解する事にしました。エンジンの分解はいつもワクワクします。特にルノースポール系は随所に拘りが感じる事が多く、勉強になります。
素材は、バルブクラッシュしてしまったエンジンですので、基本的にこのまま使用する事の出来ない、残念なエンジンです。
3RSの入庫が非常に多い当社ですので、リビルトエンジン・リビルトヘッドを用意出来ればと思い着手しました。
カムカバーを開けると。
うわっ!こりゃダメだな事態に愕然としました。リフターもアームもバラバラになり、カムシャフトも傷だらけになっていました。こりゃベースとしての使用は出来ない位の全損状態です。
それでも分解作業は止まりません。
ヘッドを外すと、エキゾーストバルブは全数が曲がった状態で整列していました。
もちろんインテークバルブも曲がっています。
ピストントップには多量のカーボンが蓄積です。ステージ3メンテナンスで良い結果が出るのは、この様な状態の汚れを軟化し、除去する事が可能だからです。エンジンの燃焼状態・燃調状態・点火タイミングの適正化など、色々な要素が理想的な状態になる為、調子がよくなる。それがステージ3メンテナンスです。
ピストントップの形状を確認します。
大きなバルブリセス・盛り上がったピストンは、メーカーの気合いの入れ具合がうかがえます。
クリオ2RSは172PS でしたが3RSでは200PSまでエンジン出力が引き上げられていますので、同型エンジンのチューニング最終形となります。モアパワーを引き出す為にあらゆる事を改善してきたのですね。素敵です。
クリオ2RSのピストンはと言うと。
リセスは小さめで、トップはヘコみがあります。
つまり、3RSはかなりのハイコンプピストンが標準装備されているという事になります。
もっとスペシャルなピストンもご覧下さい。
こちらはクリオ2RSのチューニングエンジン用のハイコンプ鍛造ピストンです。標準圧縮比が11.1:1に対して、11.8:1のスペックとなります。リセスの深さは、ハイカムに対応していることを意味します。
いや~エンジンって良いですね。
以前には、ルノースポールの男気と称してヘッドポートの造作について触れています。
興味のある方はご覧下さい。
「ルノースポールの本気度がよく分かる仕事っぷり、見せます」
Written by Hashimoto