2.リフレッシュに必要なパーツをすべてリストアップ & SDL診断機を駆使してサスペンション状態チェック Alfaromeo156完全リファイン計画
リフレッシュに必要なパーツをすべてリストアップ
現状の車両に使われている消耗部品の類はほぼすべて新品に交換する。
エンジンやサスペンションのマウントブッシュをはじめ、ゴム類をすべて新品に交換するほか、クラッチ板やドライブシャフト、サスペンションアームエンドといった、走行10万キロオーバーの車両ならではの部位もすべて一新。他にも、各種ベルト&プーリー類やオルタネーター、インジェクター、各種センサー、ガスケット、カムシャフトベアリング等が交換対象とされた。
これらのパーツを純正パーツリストからピックアップした結果、その数は54枚にも上った。
SDL診断機を駆使してサスペンション状態チェック
SDL診断(サービスダイアグノーシスライン診断)とは、サスペンションやブレーキの性能が正しく発揮されているかを、素早く、そして総合的に診断できる専用ラインのこと。
現車の計測結果は概ね良好ではあるが、フロントが若干トーアウト気味になっている点が気になる。
さらに、制動力検査の結果、フロントディスクローターにひずみが出ており、制動力がやや不安定。
さらに、フロントブレーキの左右バランスにも問題があることが判明した。
現車のサスペンションはモンロー社製ダンパー「センサトラック」が装着されており、サスペンション性能はとても良好だ。また、四輪の軸重を見るとフロント側が左右それぞれ423kgと426kg、リア側が左右で301kgと285kgという結果が出ている。
これはアルファ156としてはたいへん良好なバランスと言ってよく、その理由は「左ハンドル車である」という点に尽きるそうだ。
イタリア車の場合、左ハンドル仕様を前提に車両が設計されているケースがほとんどで、右ハンドルのAT車はあくまでも「特殊仕様」、という印象がいまだに強い。
この時代のアルファを見てもそれは顕著で、「バランスで選ぶなら左ハンドルのMT車」という点は覚えておくべきポイントのひとつだろう。