プジョー207はクラッチトラブルでの入庫です
連休前より入庫していた207の作業に着手しました。先日も206RCが同様のトラブルで入庫していました。原因はレリーズベアリングの崩壊です。今回の207の方が状態が酷く、ベアリングは完全に壊れてしまっていました。サーキット走行も行う車両ですので、酷使されているのは間違い無いです。予兆や、異音の出始めの症状はあったと思いますが、この崩壊に至る瞬間が当社にご来店されていた時で有ったのが、不幸中の幸いです。この症状が起きると、自走は確実に不可能な状況になりますが前兆に気付くには経験を持った耳も必要になってきます。
お預かりしたお車については、距離に応じてクラッチ周辺の初期不良を防ぐため細心の注意をはらって点検しています。問診の際に「冷間時の始動直後にクラッチ操作に併せて異音など無いですか?」と伺う事が多いのはその為です。
初期不良としては、車が冷えている時が最も情報としては分かり易いのが特徴です。
暖まってしまうと、不具合を持つベアリングも異音を潜めますので大切なのは始動直後の時です。
あとは、クラッチペダルを操作する力(踏力)が増えている場合も要注意です。毎日お乗りのお車の場合、ここの変化には気付き辛いものでして、組替え直後のペダルの軽さを知っている私たちで無ければ比較が難しい内容です。
自分の車は大丈夫なのか?っと不安なお客様は、ご相談下さい。的確に診断致します。
ダイヤフラムカバーにくっついていたベアリングの破片(先端部)です。
ベアリングのボール部が数個ですが、残っています。(既に意味をなしませんが)
ミッション側にも同様に残骸が残っています。
ここまでくると、非常に激しい金属音を発する様になります。あわせて、焦げるような異臭も立ちこめます。
ここで、当社のオリジナル軽量フライホイールについてのおさらいをご紹介します。
今回の車両207は、デュアルマスフライホイールが装着されていないタイプの車となります。
デュアルマス 対 純正 の場合の重量差は非常に大きいのですが(デュアルマスフライホイール本体の重量が非常に重い為)こちらの重量の差はそこまで大きくはないのです。
純正フライホイール 7.5キロ
当社のオリジナル軽量フライホイール 5.2キロ
とは言っても2.3キロも差はあるのですけどね。
クランクシャフトの後部に装着される回転物の重量は、エンジンの運動性能にも直結する部分ですのでココが軽いというのは最大の武器となります。
軽量フライホイールは、根本からエンジンを軽く回す事が可能となるため、車を楽しく乗りたい!という方には自信を持ってイチオシするアイテムです。
トルクの低下、を気にされる方も多いですが、当社で企画している軽量フライホイールのシリーズには普段使いが苦になるような重量設定の物はありませんので、ご安心下さい。
クランクシールも交換します。この工具が非常に良いです。
ボス・アダプタを装着し、センターボルトを締め込むことで確実なシールの取付が可能です。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto