ルノーのレア車 ウィンドの整備です。今回はクラッチやサーモスタットの作業
レア度の高いウィンドをお預かりし、クラッチ交換作業を行います。以前にワンオフサスペンションを製作させて頂いた車両です。生産年数も生産台数も少なく、見かけることのまず無い車ですよね。
クラッチペダルの操作時の重さ、ベルハウジング内蔵式レリーズシリンダの耐久性の低さ、これらの不安を拭うべく今回はクラッチの作業を行うことにしました。
テンポ良く分解を進めていると、眼に入ったのが微量ではあるものの明らかなオイル滲みです。K4M(1.6LDOHC)搭載車両の場合、ここからの漏れは要注意です。サーモスタットハウジング一体型のサイドカバーなのですが、水路と油路がハウジング内に存在します。これよりも以前の同型エンジンではアルミ製ハウジングが備わるのですが、後期型は樹脂製となりまして。オイル漏れを発する頻度が高くなっています。アルミ製ではほとんど生じないフランジの歪みが樹脂製の場合は経年劣化により生じる事が原因だと推測できます。
この場所からのオイル漏れは、真下にクラッチがありますので多量に漏れ始めるとクラッチの滑りを発生させます。せっかく交換するクラッチに2次被害が発生してはしけませんので同時に交換を行います。
大きなサブフレームを取り外し、トランスミッションを降ろします。
ベルハウジング内蔵式レリーズシリンダ。スプライン部の錆びも気になります。熱害により油圧シリンダがパンクするケースも多いです。
クラッチディスクの新旧比較
外したディスクの厚み:5.8mm 新しいディスクの厚み:7.3mm 良く減っていました。
各部の組み替えを終え、復旧作業です。
組み付けながら、サーモスタットも交換しています。
オイルラインが、ガスケットを乗り越えている感じがよく分かります。
エンジンロワマウントのラバーも非常に劣化していたので、交換します。形状が大きく異なる物に変更です。ゴムの耐久性も上がっていそうです。
この後、作動確認・試運転を行い、4輪アライメントに移ります。