エンジンパーツは美しい!
ゴールデンウィークが明けてから、集中して作業を進めている事がありました。
昨年末あたりより着手していたエンジンオーバーホールの作業を、一気に進めています。
ボーリング・ホーニングを終え、エンジンスタンドに固定されたシリンダブロック。
オイル汚れが一掃され、カラッカラのブロックは工業製品としての美しさを感じます。
メタルの収まるハウジング内はメタルの組み付け後に、メタルへの無理な力が掛からぬ様、面取り処理
を行っています。
通常このエッジ部は機械加工のまま終わる箇所ですので、指の腹で撫でると軽く流血します。
メタルにも手にも優しいエンジンブロック内面となりました。
タフトライト処理・ラッピング処理・バランス補正を終えたクランクシャフト。
表面硬度が上がっている為、爪先で弾いた際の音にも変化が出ます。
タフト処理の理想を言えば、新品クランクへの施工ですが、使用過程を経たクランクにも有効です。
重量バランス補正は殆ど不要な位に、出来の良かったピストンとコンロッド。
エンジンパーツの中で、最もカッコいい部分だな。と、いつも思います。
ピストン自体の形状や仕上げは様々ですが、車が新しくなればなるほどに標準ピストンが素敵にな製品に
進化しています。
今回のピストンは社外品を使用していますが、たとえば過去に携わったアバルト500のピストンやコンロッドには驚きました。
オイルポンプの吸い込み口は、開口部が少し小さい為、加工で広げています。
実質効果がどの程度あるかは分かりませんが、こういう細かい事も必要で大切な事かなと思います。
吸入効率を上げるため、インテークポートには大幅な改良を施しました。
以前にクリオ2と3について、インテークポートの説明をしていますので、そちらもご覧ください。
エンジンパーツってやっぱり美しいと思います。
各部の加工を終え、カムシャフトが乗った段階です。
冷たい金属パーツに、熱さを感じる眺めです。
クランクプーリは、当社オリジナルのアルミ製をチョイス。
カムシャフトカバーは、カムのキャリアを兼ねています。
それ故に、締め付け順序と締め付けトルクの掛け方が特殊です。
締めたり緩めたり、また締めたりと複雑です。
締め付け順序を記入し、ミスの無いよう心がけます。
大部分が完成しつつあります。
補記類・マニホールドなどを組み付け、引き続きの作業を進めます。