アルファロメオ156 JTS トラブルシュートに悩んでいます
エンジン不調の症状にてお預かり中の156JTSです。
不具合の発生の仕方が従来の症例とは異なります。
JTSでよくある不具合症例は、IGコイルやプラグの不具合によるミスファイアや、
直噴ノズル不良によるエンジン高負荷時の不完全燃焼、エンジンスラッジなど
数え上げれば色々と出てきます。
過去の経験上、不具合を絞り込む事が可能なケースが多いのですが、今回の不具合は
例に当てはまらず迷宮入りしています。
悩み続けていても仕方ないので、今回の照準対象物である直噴ノズルを制御する
噴射信号にまずは的を絞ってみました。
BOSCH FSAという診断機器を用いてトラブルシュートを開始します。
オシロスコープにより、不具合発生時の波形をモニタリングする為の準備です。
4本あるノズル制御用の配線、合計8本に信号取り出し用の配線を結線します。
その為に必要な個所を分解し、配線の束を引っ張り出してきます。
結線後、それぞれがどのシリンダの配線なのかを分かりやすく明記します。
出てきた波形がこのような状態のものです。
冷間始動直後の不具合発生時です。
青と赤は、1番と4番の波形を同時に出力している為です。
明らかに異なる波形であることが確認できます。
このまま追及を続けたいのですが、数分後には波形が揃ってしまい、全て同じ内容に。
整ってしまいました。
こちらは電流値と電圧、現在の測定画面と、データ保存したものを表示させ
重ねて表示させたもの。
不具合が発生していないときは、何も疑わしくありません。
画面と、出力波形に見慣れる為、いくつかの操作を行っておきました。
通常のインジェクタノズルはもっとシンプルな波形が表示されます。
明日以降、紐解いていきます。
ノズルリークにも疑いを持つため、こんな試験も行いました。
排ガスプローブをエンジン停止直後のプラグホールに入れ、ガスデータを拾います。
HCの値が高く表示されます。
ピーク時は700ppm位まで上昇していました。
これらの情報を基に、作業を続けます。